「らーめん右京 茂木」の前に立つ大森さん(左)と沼生さん。のれんは「野高谷」の文字を「茂木」に替えてそのまま使う

 宇都宮市で20年近く愛され、惜しまれつつ2年半前に廃業した人気店の味をそのまま引き継ぐラーメン店が、7月中旬に栃木県茂木町馬門にプレオープンする。客が連日くぐったのれんから厨房(ちゅうぼう)機器、丼まで旧店のものを使い、旧店主から新店主に味わいが直伝される。町活性化のためにラーメン店誘致を進める町が、昨年12月に開業した人気店に続く2店目の誘致に成功した。

 新店の名は「らーめん右京 茂木」。旧店の「らーめん右京」(宇都宮市野高谷(のごや)町)は炭火焼きの焼き豚をのせた「右京完熟味噌(みそ)らーめん」が看板メニューの人気店だった。

 旧店主の宇都宮市ゆいの杜6丁目、沼生共邦(ぬまにゅうともくに)さん(73)が体調を崩して19年12月29日に廃業したが、この1カ月ほど前、店の常連客だった馬門、トレーラーハウス販売業大森敬一(おおもりけいいち)さん(64)に「のれんを継がないか」と声を掛けていた。

 大森さんは高校時代からラーメン好きで、店主の体調不良や高齢化で閉店する人気店を何軒も見てきた。鶏がらで取ったすっきりしたみそ味のスープが大好きだった右京の苦境を知り、「この味を絶やしたくない」と出店を決意した。

 町商工会の後押しで得た国の補助金を元手に、馬門のガレージの一部を店舗に改装。プレオープンから3カ月は沼生さんも厨房に復帰する。沼生さんが詳細にまとめた各メニューの製法マニュアルを基に、大森さんと新採用の調理人にみそだれや隠し味のレシピなどをじかに伝えるという。

 沼生さんが「右京の味を100%再現する」と意気込めば、大森さんも「確実に味を引き継げる」と自信を見せる。町商工観光課は「『あの右京が茂木に帰ってきた』と話題になるはず。ぜひ大森さんには頑張ってほしい」とエールを送っている。