無観客で行われているミッドナイト競輪(宇都宮競輪場提供)

 宇都宮市が運営する宇都宮競輪場の車券売上額が、回復の兆しを見せている。2017年度に夜間照明設備を整備し、翌年度から夜にレースが行われる「ミッドナイト競輪」を始めたところ、ネット経由で車券の売り上げが急増。21年度は17年度比で約116億円増の約257億円に達した。売り上げの一部は市の貴重な財源でもあり、市は競輪のイメージアップにも取り組んでいる。

 市公営事業所によると、21年度の売上額は全国43の競輪場のうち7位。売上額が200億円台に乗ったのは06年度以来15年ぶり。過去最高の売上額を記録した1990年度の約771億円には遠く及ばないが、ここ10年間では最も多い。過去をさかのぼると70年代後半とほぼ同水準となる。

 入場者数のピークは74年の約102万人。娯楽の多様化が進むとともに右肩下がりで推移し、2015年には初めて10万人を割り込んだ。これに伴い客層も高齢化し、競輪自体が「お年寄りの娯楽」というイメージが定着してしまったという。

 入場者減による売り上げ減少をカバーしようと、市は12年度から民間のポータルサイトを通じてネット経由の車券販売始めた。

 18年度には夜間照明設備を生かし、午後8時半~11時半に無観客でネット配信する「ミッドナイト競輪」を開始。コロナ禍で入場者が3万人を割った20年度もネット経由で順調に売り上げを伸ばした。在宅でも気軽にネット経由でアクセスできるため、それまでの固定客以外の客層をつかんだとみられる。

 新たな来場者をつかもうと、20年度には夕方からの「ナイター競輪」を有観客で始めた。最近は交流サイト(SNS)や動画配信、イベント開催なども行っている。