オリオン通りを歩く岩瀬さん。高校への自転車通学の際、雨の日によく滑って転んでいたという

「おしどり塚公園」を訪ねた岩瀬さん。公園内にはおしどり塚の石碑が立つ

オリオン通りを歩く岩瀬さん。高校への自転車通学の際、雨の日によく滑って転んでいたという 「おしどり塚公園」を訪ねた岩瀬さん。公園内にはおしどり塚の石碑が立つ

 おはようございます、ミワリーです。太平洋戦争末期の沖縄県で県民の救済に尽力した島田叡(しまだあきら)知事と、宇都宮出身で警察部長の荒井退造(あらいたいぞう)らを描いた映画「島守の塔」の県内公開が決まりました。宇都宮ヒカリ座(江野町)は8月5日からです。荒井の妻役を演じた宇都宮の街なか出身の俳優岩瀬顕子(いわせあきこ)さんに地元のなじみの場所を紹介してもらいました。

 

 最初に訪れたのは「おしどり塚公園」(一番町)。ビルの谷間にある小さな公園で、市指定史跡「おしどり塚」の伝説で知られる。「小さい頃、よく遊びに来ました」。雪が降ると一番に駆けつけ、雪に寝転び人型を付けて楽しんだそうだ。当時あった築山やプールはないが、今でも親子連れや近隣の会社員たちの憩いの場となっている。

 ■思い出の味コロッケ

 岩瀬さんは宇都宮女子高を卒業後、米国の大学に進学し宇都宮を離れた。現在は演劇ユニット「日穏(びおん)-bion-」を主宰。ジョニー・デップ主演の「MINAMATA-ミナマタ-」など多数の映画にも出演し、脚本家やアナウンサーとしても活躍している。

 高校時代、通学路だったというオリオン通り。自転車を押しながら歩いたが、「昔からのなじみのお店はなくなってしまっていて紹介できない…」と苦笑した。映画雑誌を立ち読みした書店も、映画館も姿を消した。大好きだったたこ焼き屋も、アルバイトをしたステーキ店もない。

 今も健在なのはレストラン「風見鶏」(中央1丁目)だ。1981年オープンの老舗。土曜日の学校帰りに友達とランチを食べた。「チキンクリームコロッケがおいしかったです」。このコロッケは今も変わらず提供されている。

 県立図書館も今も残るなじみの場所の一つ。階段を上り学習室を利用した。「集中して勉強できるのでよく行きました。本の匂いが好きでした」

 ■カーテンコールで涙

 一方、シンボルロードには近年になってなじみになった場所がある。県総合文化センターサブホール。日穏の公演を行っている。

 2017年の県内初公演では宇都宮から離れたという後ろめたさがあり、観客が集まるのか不安だったという。しかし「『あっこちゃん』と皆さんが変わらずに受け入れ、観に来てくれました」。カーテンコールでは前年に亡くした母への思いも重なり涙があふれた。

 8月19、20日、県内3度目となる公演「月虹(げっこう)の宿」を、俳優柴田理恵(しばたりえ)さんをゲストに迎えて行う。

 実は、岩瀬さんとミワリーは幼なじみ。“宮っ子”同士、街なかの思い出話に花を咲かせた。「帰ってくるとやっぱりホッとする」と岩瀬さん。「宇都宮との接点は持っていたいと思う」

 昨年、東京県人会の副会長に就いた。今後は宇都宮で映画を撮影するなど、地元での活動にもさらに力を入れるという。新たな思い出が加わりそうで楽しみだ。きょう26日も「アトリエほんまる」(本丸町)で、映画化した日穏の劇の上映会などを行う。