今年も、大粒の実がきれいな青色に染まり始めた時季。小山駅前から車で約20分の郊外にある「ブルーベリーファームごうの」を訪ねた。3千坪の広い敷地に、青々と1200本のブルーベリーの木。この中を、収穫しながらお散歩しよう!

冬の剪定期、「ベリーの森」前の郷野夫妻

 ファームを営む郷野康子さん(73)と夫の春さん(73)は、最初は苦難の連続だった。35年前、康子さんの父親の病気をきっかけに苗木農家をやめ、ブルーベリー栽培に転換。3百本の苗を植え、3年後から収穫できるようになったが、売れ行きは不振。その後ブルーベリーワインの生産に参加したが、それも3年で終了。今の摘み取り園の形態に変え、何千枚も客寄せのチラシを配ったが、それを見て来園したという人は、わずか10人ほどだった。

 その後、看板を立てるなどの努力でようやく来園者は増え始めたが、転機が訪れたのは20年余り前。お昼のワイドショーで、みのもんたキャスターが「ブルーベリーは目にいい」と紹介すると、健康志向の中高年を中心に大勢の人が押し寄せるようになった。

 栃木の気候に合わない品種を接ぎ木で改良したり、毎年冬季にはご夫婦二人だけで約4カ月間、朝から夕方まで全1200本を剪定(せんてい)し、どの実にも満遍なく太陽が当たるようにしたり。おいしい実りの陰には、こんな努力があったのかぁ。

摘み取り解禁! 夢中で楽しむ取材班

 取材班は皆、今回がブルーベリー摘み初体験。最初はどの実がいいか戸惑い、郷野さんに教えてもらいながら摘んでいたが、気づけば取材も喋るのも忘れるほど夢中になっていた。40種類の中から、摘みたてを食べながら自分好みの味の木を見つける楽しさ。1個でも満足できるほど大粒で、甘味と酸味も“いいね”!

 足利から来園し、両親が押す車椅子でブルーベリーを摘む脳性麻痺(まひ)の少年。リクライニングベッドに寝たきりで、家族に付き添われ東京から通っていた60歳ぐらいの女性。そして誰よりも、農園が青く色づく風景に毎年感激する、康子さんと春さん。長い年月をかけてここまで育ててきたことに、今お二人は確かなやりがいを感じている。