難関検定にダブルで合格した坂本さん

 【宇都宮】本町でブライダルサロンを営むウエディングドレスデザイナー坂本美世子(さかもとみよこ)さん(70)はこのほど、「婦人子供注文服製作作業」と「婦人子供既製服パターンメーキング作業」の1級技能検定にダブル合格し、1級婦人子供服製造技能士となった。新型コロナウイルス禍で生じた時間を勉強に費やし、夢をかなえた。

 「注文服製作」は仕様書を見て6時間半でスーツを1着作る試験で、「パターンメーキング」はデザイン画を基に型紙を作る試験。どちらも実務経験7年以上の人が受験できるが、時間内に正確に製作する技術が求められるため、難易度は高いという。

 坂本さんは短大の家政科を卒業。1980年に専攻とは全く異なるコンピューター販売などの会社を興し、経営の楽しさに魅了された。しかし、中学校の同窓会に出席して「デザイナーとして海外を飛び回る」という自身の夢を思い出し、48歳で一念発起。オーダーメードドレスの製造や海外挙式を手がけるブライダル事業を立ち上げた。

 国内外のドレスデザイン大会で入賞し、活躍の場を世界に広げた。「(昔の夢を)有言実行できた」と充実感を得た一方、仲間の多くが取得していた技能士資格を持っていない点に後ろめたさを感じていたという。コロナ禍で時間的に余裕が生まれた3年前、「忘れ物を取りにいこう」と受験を決めた。

 1度は不合格となったが、昨年1年間は自宅にこもって勉強し、今春合格した。坂本さんは「大きな声で家族に報告するほどうれしかった」と振り返る。

 「夢を夢で終わらせることは簡単。洋装に限らず世界で活躍する方法を後世に伝えていきたい」と、4月には任意団体「県洋装技能協会」を設立し、次の夢を追いかけている。