幽玄な世界を披露した「足利薪能」=8日午後7時5分、足利市民会館

 「第34回足利薪能」が8日、足利市有楽町の市民会館で開かれた。約660人が来場し、能や狂言を堪能した。

 市地域文化遺産活性化事業実行委員会と足利薪能実行委員会が主催。室町幕府3代将軍・足利義満(あしかがよしみつ)が保護した能を、足利氏の氏寺でもある鑁阿(ばんな)寺で上演しようと1985年に始まった。

 例年は同寺の境内に舞台を設置して開いてきたが、今年は雨のため会場を市民会館に変更して開催。通常は本物の火を使用するが、今回は照明と風で薪を再現した。

 2017年に市立美術館で開かれた刀剣展「山姥切国広(やまんばぎりくにひろ)展」が盛況だったことを受け、刀に関する演目を上演した。

 狂言「長光(ながみつ)」では、刀を盗もうとする泥棒と持ち主の滑稽なやりとりに会場から笑い声が上がった。能は刀工三条宗近(さんじょうむねちか)が名剣「小狐丸(こぎつねまる)」を生み出す過程を描いた「小鍛冶 白頭(しろがしら)」が披露され、観客は情緒豊かな舞やおはやしを楽しんだ。