カレーショップ フジの大橋店長と人気のカツカレー

昔ながらの喫茶店の雰囲気を残すカレーハウス ミニ・ボルツと、20倍まで辛さが選べるカレー

カレーショップ フジの大橋店長と人気のカツカレー 昔ながらの喫茶店の雰囲気を残すカレーハウス ミニ・ボルツと、20倍まで辛さが選べるカレー

 ■健全な“たまり場”

 「毎日食べたくなる味」。そんな味わいの「カレーショップ フジ」(江野町)は、オリオン通りのアーケードに店を構えて53年。創業者大橋好守(おおはしよしもり)店長(79)は「当時、街なかのカレー専門店は、うちとAKAI TORI(アカイトリ)さんぐらいだったかな」と振り返る。

 デミタスコーヒー付きのカレーを、当時としても低価格の100円で提供。食べ盛りだがお金はない市内の高校生や大学生のハートをつかんだ。

 「学生たちのたまり場っていうんでしょうかね。みんな、わいわいと本当に楽しそうでしたね」。ビートルズ全盛の時代、店のレコードプレーヤーで自由に音楽を楽しむ子、自分が撮ったSLの写真を店内に展示する写真部の生徒、店のポップを描いてくれる子…。10代の子どもたちの大切な社交場となっていた。

 消費増税や物価上昇の逆風はあるものの、定番の「カレー」は550円で提供。大盛りはプラス50円、特盛りは100円と低価格を守ってきた。「店の前で、高校生が財布の小銭を真剣に数えていたんです。『大盛りが食べられるかな』って。その姿を見て、なるべく値上げしたくない、という思いできたんですよ」

 時代とともに街はめまぐるしく変遷しても、店主がカレーに込める思いは変わらない。店の味は千差万別、今も昔も、各店ならではの味を愛するファンと共に歩んでいる。