しもつけ21フォーラム/作品通じ社会元気に/劇団四季 越智氏が講演

 下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の12月例会が8日、宇都宮市内で開かれ、劇団四季専務取締役(営業・広報宣伝・社会事業担当)の越智幸紀(おちこうき)氏が「コロナ後の劇団四季の成長戦略」と題し講演した。

 俳優やスタッフ約1400人で組織する劇団四季。越智氏は劇団の特徴として、俳優個人の知名度に頼らず、作品の世界観を表現するための実力を重視している点を挙げた。また文化の東京への一極集中を是正するため、全国各地で公演しているという。

 一方で、新型コロナウイルス禍は大きなダメージとなった。2019年までは年間3千回以上の公演をしていたが、20年は約半分に減り、売上額も前年度70%減となった。越智氏は「コロナ禍で、海外作品への依存と『演劇専科』であることが、劇団四季の弱点と分かった」と説明。現在はオリジナル作品の創作に注力しているほか、新規事業チームを発足し、会報誌の発行やアパレルへの展開などを進めている。

 越智氏は「これからも作品を通して、人生は素晴らしいというメッセージを送り続けることで社会が元気になるお手伝いをしていきたい」と力を込めた。

 越智氏は上智大卒。1993年に入社、東京公演本部長や社会事業部長を経て、2018年から現職。