しもつけ21フォーラム/平時からの備え訴え/気象予報士・南氏が講演/宇都宮

 下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の6月例会が12日、宇都宮市内で開かれ、南気象予報士事務所(兵庫県西宮市)社長の南利幸(みなみとしゆき)氏(58)が「異常気象から企業を守る防災対策」と題して講演した。約80人を前に、災害時の危険性や行動などを平時から確認する大切さなどを訴えた。

 南氏は兵庫県西宮市出身。広島大大学院を卒業後、日本気象協会関西支社に入社。2006年に同協会を退職し、12年に同事務所を設立した。現在、NHKのニュース番組「おはよう日本」などに出演している。

 南氏は、地球温暖化の影響で全国的に気温が上昇しており、「ここ数年は今まで経験したことがない気温で、新たな段階に入っている」と強調した。

 宇都宮市の直近10年間の8月の平均気温を1980年代と比べると、1・4度高い26・5度で、最高気温が30度以上の真夏日は19日、35度以上の猛暑日は8日増えたと指摘。本県では昨年、住居や工場・工事現場、道路などで熱中症患者の救急搬送が多かったことも説明した。

 また、気温の上昇に伴い降水量も近年増えており、線状降水帯や記録的短時間大雨情報に要警戒するよう求めた。日頃からハザードマップや避難場所を確認し、どのような状況になったら避難するかを決めておくことを呼びかけた。

 会場からの質問に答え、「大雨などの災害時、会社や従業員宅への影響を確認し、その時の行動を考えておく必要がある」とも話した。