脳科学者茂木氏が講演 「チャレンジが大切」強調

 下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の10月特別例会が6日、宇都宮市内で開かれ、脳科学者の茂木健一郎(もぎけんいちろう)氏(60)が「ヒトの脳とAIのこれから~今から磨くべき脳力を明かす~」と題して講演した。

 AI(人工知能)の急速な発達により、各自の苦手分野などを補えるようになるとし、「人間の役割はそうした支えを生かし、どう選択・決断するか。これまで技術や知識がなかった人にとっても、可能性が広がる」と語った。

 選択する力を磨くため、鍵になるのが「後悔」だという。「人生で悔やんでいることを振り返ってほしい。その上で今の自分を幸せだと受け入れ、チャレンジし続ける姿勢が大切」と力を込めた。

 9月には、友人の堀江貴文(ほりえたかふみ)さん(50)らと同市内を訪れ、次世代型路面電車(LRT)に乗車する様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。本県について、自然や文化遺産など魅力がたくさんあると太鼓判を押す。「最大の欠点こそ長所になると気付ければ、さらに輝く道筋が見つかるかもしれない。私も栃木の良さを世界へ届けたい」とエールを送った。

 茂木氏は東京都出身。東京大理学部、法学部、同大大学院博士課程修了。理化学研究所研究員などを経て、現在同大学院客員教授などを務める。作家、ブロードキャスターとしても活躍する。