二つの教会をめぐる石の物語
宇都宮美術館 編集
B5判/上製/304頁(うち口絵カラー8頁)
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN978-4-88286-845-3
23/05


「カトリック松が峰教会聖堂」「日本聖公会宇都宮聖ヨハネ教会礼拝堂」――二つの教会はともに、宇都宮市産「大谷石」を用いた復興様式の近代建築として、所在地の宇都宮市はもとより全国的にも知られる美しい姿かたちの歴史建造物である。
 本書は、二つの教会を中心に、この教会を手がけた2人の建築家が設計した他キリスト教施設、彼らが生きた時代と他の設計者の取り組みを通じて、大正年間・昭和戦前にたち現れた「日本近代の教会建築」を、「石の物語」という視点で解き明かすことを試みた近代建築史の本である。
論文集でも写真集でもなく、豊富な図版と平明な解説により、前史となる幕末・明治にも触れ、ローマ・カトリック教会、聖公会、プロテスタント教会の聖堂、礼拝堂、会堂、ミッション・スクール、病院といった実例を取り上げ、教会建築の精髄と、様式や工法などを、多角的に論じている。
2023年2月19日から4月16日まで宇都宮美術館で開催された企画展図録として出版。

序 章 日本近代の教会建築 幕末と明治
第1章 カトリック松が峰教会とマックス・ヒンデル
第2章 日本聖公会宇都宮聖ヨハネ教会と上林敬吉
終 章 日本近代の教会建築 大正年間と昭和戦前