下野新聞社は、1945(昭和20)年7月の宇都宮空襲で社屋が炎上したため発行できなかった80年前の新聞を、現在の視点や情報を基に制作し、12日に別刷り特別紙面「宇都宮空襲新聞」としてお届けします。

 同年7月12日、県都・宇都宮は米軍の空襲を受け、市街地一帯が焼け野原となりました。620人以上が犠牲となった県内最大の戦災でした。下野新聞社も大きな被害を受け、13日付の新聞は発行できず、小さな紙1枚の「新聞特報」でわずかな情報を伝えるのが限界でした。

 紙齢をつなげなかった先人の無念に思いをはせ、言論統制下で伝えられなかった被害状況などを目撃者の証言などを基に構成します。本紙の歴史の「空白」を埋め、戦後80年の節目に、戦禍の記憶を伝え続ける意志を示す取り組みです。

 主な紙面体裁は次の通りです。

  • 本紙とは別刷りで4ページ建て。題字は当時のデザインを使用
  • 日付は「昭和二十年七月十三日」(=発行できなかった空襲翌日の紙面の日付)
  • 当時空白になっていた紙齢「第二万四百六十九号」を記載

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 下野新聞デジタルでは空襲体験者の声や写真などをデジタルマップにまとめ12日午前5時から、公開します。

下野新聞社