―自身のセールスポイントや、バックスでこういうところが生かせるというものはありますか。

秋本 ディフェンスをもっと強化したいということなので、そういったポイントではFWにできるだけ早いタイミングでチャンスを作ることができるのでは。またパワープレーで使ってもらうことで、得点のフィニッシュのシュートを打つ。自分がフィニッシャーとして活躍できるんじゃないかなと思っています。

―入団を決める際、家族に相談したとのことだが、これは奥様?

秋本 奥さんと、子供はまだ小さいのですが、日本に住めるという環境がフィットしているんじゃないかなということが家族の意見でした。私の意見もやはり日本に帰ってプレーすることだったので、お互いに納得できる結論になりました。

―「一途に努力」が目標ということだが、数値的な目標はありますか。

秋本 数字はまだ決めていないが、いずれ自分の中ではいろんな数字は出していきたいという思いです。一途に努力ということでは、いろんなタイプの選手がいます。生まれ持った能力でやる人もいれば、努力して上を目指す選手もいます。キャプテンのように例えば言葉で支えるような選手もいます。私の場合は、やるべきことをしっかり自分の背中で見せつけるような選手だと思います。

―海外で学んだことを、どうバックスに生かしていきたいですか。

秋本 海外の場合、容赦なく体に当たってくる、絶対に諦めない、どういったシチュエーションでも最後の60分まで戦う、といった姿勢があります。リーグでは友人同士だったとしても、リンクに乗ればそこは切り捨てなければなりません。味方と相手しかいない中、友達だろうが親戚だろうが関係なく、しっかりフィニッシュする。そういったメリハリを持っていきたいと思っています。

―バックスの選手で親しい選手はいますか。

秋本 2、3割は知らない選手だが、残りは全員面識のある選手です。学生時代なら、日本代表で関わった選手もいます。

―海外ではドイツ、ポーランドでプレーしました。日本との違いはどんなところでしょう。

秋本 そもそも多すぎて一番がこれというのは出てこないが、やっぱりアイスホッケーのスタイルだったり、観客の声援であったり。個人的な意見だが、日光は特別で、海外に近いんじゃないかなと思います。海外はファンが熱く、情熱があります。日光も同じような感じですね。

―ファンへのメッセージをお願いします。

秋本 (コロナ禍で)大変な時期ではありますが、近いうちに何事も解決すると思います。(事態が好転すれば)早いうちにリンクに足を運んでもらい、私たちの活躍を見てほしいですね。

土田TD 聞かれていないのに自分が答えるのもあれですが(笑)。我々は4年前からフィンランド流の、どちらかというとヨーロッパ的な、流動的な連携のある、スピードを生かした戦術を取り入れています。そういう中で苦労した点というのは、日本で育った選手たちはそういう育成を受けてきていないので、そこの理解度を高めるのに時間がかかってしまいます。秋本選手は小中学校とロシアで過ごし、我々が学び得なかった体験、経験を既にしているので、合流してもすぐにフィットできると思います。むしろ学んできた基礎があるので、より活躍してくれると考えています。

 

あきもと・でにす

1991年8月20日生まれ、ロシア・ハバロフスク出身。181㎝、93㎏ 

高校進学を契機に来日し、埼玉栄高に入学。その後、東洋大在学中の2013-14シーズンに日本製紙クレインズに入団した。2016-17シーズンはドイツ3部、2018-19シーズンと2019-20シーズンはポーランド1部でプレーした。日本代表としては2013年の世界選手権に出場した。

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