元ロッテのエースで栃木ゴールデンブレーブス(GB)の投手兼任コーチ、成瀬善久(小山市出身、前オリックス・バファローズ)が7月1日、BCリーグ公式戦茨城アストロプラネッツ戦に初登板した。切れのある変化球、コントロールでチームは4-0と快勝、成瀬は勝利投手になった。四回からの登板だったが、八回までの5回を1安打無失点と好投。四回に先頭打者にヒットを打たれたものの、五回以降は無安打に抑え、NPBの実力を余すところなく見せつけた。このピッチングに寺内崇幸監督は「コントロールが強みということを再確認しました。しっかりとテンポよく投げ込める強みは打撃陣にもいい影響がある。試合の流れを持ってくるというのはさすが」と賛辞を贈った。ロッテ時代、「史上最大の下剋上」を合言葉に戦った2010年の日本シリーズで勝利投手となるなど修羅場を潜り抜けてきた成瀬。この日のピッチングで若手投手に何を伝えたかったのか。

                      斎藤泰行・文、写真

BC初登板、自分のリズムで投げられた

 栃木市大平町のエイジェックさくら球場で行われた茨城戦は先発がダニエル、2番手の石田駿が三回までを無失点に抑え、打線は二回と三回に1点ずつを挙げ、栃木GBのリードする展開。そして成瀬が四回に登板した。

―BCリーグ初登板で初勝利しました。今の率直な気持ちを教えてください。

 

 まあまあですかね。初登板はやはり緊張しますね。先頭打者に打たれましたが、次の打者でゲッツーが取れました。その後のフォアボールは無駄だったかなとも思いました。そこはダメな部分でしたね。2アウト取った後のフォアボールは流れを変えてしまいます。そこは僕自身にとっても他のピッチャーにとってもやってはいけないところです。次の回以降は、自分らしく、自分のリズムで投げられたと思います。

―成瀬投手自身、開幕戦ということで緊張はありましたか。

ないと言ったら嘘になります。未知の世界なので、どうやって投げようかなとかわくわくする気持ちもありました。それが初回、考えすぎてしまった面がありましたね。その後は割り切りましたね。スピードも150km/hとか140km/h出るわけじゃないので。いかにストレートを速く見せるかを考えながら、いろいろ駆け引きをしましたね。後は相手にできるだけ考えさせないように早く投げましたね。そうすれば相手の選択肢も狭まると思うので。もちろん勝負どころではしっかり投げました。それはゲームの勘が慣れてくればできてくるんじゃないかと思いますね。

考えながら投げてほしい

 成瀬は五、六回を三者凡退に抑えた。七回も味方エラーがあったものの、変化球を有効に使って凡打の山を築いた。八回も三者凡退に抑え、最終回のマウンドを高卒ルーキーの萩原龍衛に譲った。球数46球で被安打1、3奪三振、1四球で勝利投手になった。成瀬の無駄がなく、テンポの良いピッチングは打線にも影響を与えたようだ。六回に2点を追加し試合を決定づけた。

―自分自身できょうの良かった点と悪かった点はどこだと考えますか。

基本的にストライク先行で行けたのは良かったですね。バッターに打たせなかったところも良かった。ノーアウト2塁とかの勝負どころや「ここで三振が欲しい」というところで三振が取れたのは良かったですね。球数も理想的でしたし、反省すべき点は先ほども言いましたが、2アウト取った後のフォアボールですね。そこはミーティングでも反省するべき点ということで伝えました。

―兼任コーチとしてはきょうの完封リレーをどう見ていましたか。

 僕自身を含め、みな調子がいい悪いはあるかもしれませんが、0点で抑えるというのはいいことだと思います。調子が悪いなりにしっかりに抑えるということも大事です。そういう意味でも今日はよかったなと思います。

―NPB(日本野球機構)からBCリーグに移って、この日が公式戦初登板でした。BCリーグの試合、手応えはどういったものでしたか。

答えるのが難しいですけど、自分の中でストライクゾーンというのがありますが、違う場合もあるわけです。そこは根気強く投げないといけないなと思いました。そこは自分で判断してはいけないなと。バッターも、今日は一回り以上投げたので、前の打席はこんな感じだったな、と思いました。茨城との対戦が多いのでいろいろ対策を立てていかないとな、とは思いました。

-無観客試合で茨城との対戦が多いですが、それについて感想はありますか。

戦略的な部分もあるので深くは言えないですが、見せるところは見せないといけない。やりながら、今日投げてみて思うところもありました。若いピッチャーはストレートで勝負しようと思うでしょうが、考えながら投げるというのも大事。また自分の気持ちのコントロールができるというのも大事になる。自分を見習ってほしいというのはおかしいですが、しっかりとそこは真似してほしいと思う。