
下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の2月例会が8日、宇都宮市内で開かれ、第一生命経済研究所ライフデザイン研究部主席研究員の柏村祐(かしわむらたすく)氏(51)が、「『チャットGPT』がもたらす生産性革命」と題した講演を行った。
対話型人工知能(AI)チャットGPTは、質問したいことを入力すると自動で回答し、指示すれば文章の要約やプレゼン用ソフト「パワーポイント」のスライド作成も自動でできる。
柏村氏は日常の業務は「情報を集め、情報を整理して、(書類などを下書きする)ドラフトを作成し、仕上げるという4工程に分類できる」と説明。定型的な仕事ではAIを使用した方が早く、正確に業務が完了するとして、生産性向上に向け企業は「最初の3工程にAIを活用し、最後の判断する仕事は人間が行うべきだ」と述べた。
チャットGPTを活用し、生産性を上げることで「個人や組織、企業が強くなる。生産性が上がらないと持続的な賃上げは実現しない」と強調。テクノロジーが進化する中で「(AIを)ビジネスでどのように使えるかを考えるのが経営者の仕事。有料版のチャットGPTを使ってみてほしい」と呼びかけた。
柏村氏は神奈川県出身。第一生命保険勤務を経て、2018年に同研究所に入り、21年4月より現職。