
下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の7月例会が11日、宇都宮市内で開かれた。危機管理広報に詳しいNPO法人「広報駆け込み寺」代表の三隅説夫(みすみせつお)氏(83)と副代表で森ビル特任執行役員広報室長の野村秀樹(のむらひでき)氏(53)が「『逃げない、隠さない、嘘(うそ)をつかない』~広報とは“危機管理”なり」と題して講演した。
三隅氏は安田生命取締役広報部長などを経て2004年に「広報駆け込み寺」を立ち上げた。野村氏は森ビルで長く広報業務に当たっており、18年には一般財団法人経済広報センターによる「企業広報功労・奨励賞」を受賞している。
2人は事故や不祥事が起きた際の報道や社会の動きを紹介し、具体例を交えながら心構えや取るべき対応について語った。
三隅氏は「広報は経営機能であり、危機管理に失敗すると会社がつぶれる」と指摘。不祥事が起きた後のメディア対応が命運を分けるとして、「言うべきこと、言えないこと、言えることを分けておかなければならない」と、事前に情報を整理して記者対応に臨むことの大切さを強調した。
野村氏は「起きたことに対して会社がどのように対応するかを社会は見ている」として、「大事なのは会社のルールではなく社会のルール。起きた事象を客観的に見ることが大切だ」と訴えた。
講演後、納涼祭が開かれ、参加者約150人が親睦を深めた。