企業と行政の連携重要 地域・結婚支援アドバイザー板本氏 若者の多様な生き方応援

 下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の10月例会が23日、宇都宮市内で開かれた。元NPO法人全国地域結婚支援センター代表で地域・結婚支援アドバイザーの板本洋子(いたもとようこ)氏(76)が「人手不足・少子化対策の『結婚支援』事業が映し出す社会の変化」と題して講演した。

 板本氏は、企業と行政が連携し、出会いの場づくりや若者世代の人間形成など「生活支援を意識する」ことの重要性を説明。資料を用いながら、以前は企業が従業員の結婚支援に関わることはプライバシーやハラスメントの観点から批判的に捉えていたが、多様な生き方を応援する時代になってきたとの認識を示した。

 県外で行われた取り組みとして、男性社員の多い自動車販売会社が企画した婚活イベントや、社員向けに異業種交流の案内を積極的に行う事例を紹介した。

 結婚や出産は誰であっても強要されるべきではないとした上で「(若者の)自己決定の力を育む仕組みをどう作るか。行政だけではできない」と強調。「企業の方たちが、もう少しこの分野に目を向ければ魅力ある人を育てることにつながる」と呼びかけた。

 板本氏は茨城県日立市出身。日本青年館結婚相談所所長や政府の少子化対策関連委員会委員などを歴任した。県婚活アドバイザーも務めた。