旬の味、香りを暮らしに

 22日は二十四節気の「小雪(しょうせつ)」。本格的な冬のシーズンへ向かう中、県内各地ではユズの収穫シーズンを迎えています。風味づけに欠かせないユズですが、「活用のバリエーションを増やしたい」という人は多いかも。ユズの産地で活用法を教えてもらいました。

場所/宇都宮市 ゆず園(11月14日撮影)
場所/宇都宮市 ゆず園(11月14日撮影)

 古くから県内各地で栽培・生産されているユズ。特に、足利市や茂木町、宇都宮市などが主な産地で、11月ごろから収穫期を迎えます。
 宇都宮市の北西部、新里地区で栽培されるブランド品種の「宮ゆず」は、四国や九州など温暖な地域のユズと比べ皮肉が厚く、豊かな香りが特徴です。その上質な風味は、国内外の一流料理人をも魅了。日本ならではの香りと味を広く発信します。
 また、地元の高校や大学などと連携し、マーマレードやドレッシングといった加工品をはじめ芳香剤など新商品の開発にも取り組んでいます。

ユズ  活用法を紹介

宇都宮上河内地区 「いろはゆずプロジェクト」
おいしく、そしていい香り

写真説明/左から三浦さん、塩井さん、江連さん
写真説明/左から三浦さん、塩井さん、江連さん

 宇都宮市上河内地区まちづくり協議会は「いろはゆずプロジェクト」として地域の交流と活性化を目的に、「ゆず染め」をはじめ、ユズを余すことなく丸ごと活用する取り組みをしています。同協議会の三浦利果さんと、JA女性組織みどり会上河内支部の塩井イネさん、江連恵子さんにユズを使ったレシピを教えてもらいました。

モイストポプリ

 

 

 ユズの皮…1個分

 粗塩…100㌘

 ふた付きびん(125㍉㍑)

 
 

 

 

❶ユズの皮をむき、ワタを取り、細切りにする。
❷びんの底に、粗塩を薄く入れ、スプーンで平らにする。
❸粗塩が隠れるくらいにユズの皮を平らに入れる。
❹その上に、また粗塩を入れ平らにする。
❺③、④の作業を3回繰り返す。
❻最後は一番上が塩になるように入れ平らにする。
❼ふたをし、10日ほど寝かせて完成。
●ポイント
・ユズの皮をむいた後、ワタの部分をスプーンでそぎ、皮をきれいにしてから細切りする。
※塩にユズの香りが移り、飾りながら香りを楽しむとができます。

 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

ゆずジャム(ユズ20個分)

 
 

 

 

 

 

 

 

(塩井さん考案)

 

❶ユズ20個の皮を2、3㍉に刻み=写真A、水から15分くらいゆでて、あく抜きし、ざるで水切りをする=B。※完熟でない場合は2回あく抜きを。

 


❷果肉は汁を搾る=C。
❸水気を切った皮に、鍋で白砂糖(500㌘)を2、3回に分けて加えて煮詰める=D。1回目の白砂糖を入れたら、皮をむいたクチナシの実(3個)をガーゼに包み=E、つぶしながら煮詰める。

 
 
 

 

 

 

 

 

 

❹果汁を加えて、酸味を整え、さらに煮詰める。煮汁が少し残るくらいのときにクチナシの実を取り出して、ブランデー(大さじ1)を入れ全体に混ぜたらすぐ火を止め完成=F。
●ポイント
・白砂糖を入れたら、焦がさないように、常にかき回す。
・ユズジャムを作る量が少なすぎると焦げやすくなるため注意を。
※パンやヨーグルト、お湯に入れユズ茶や、炭酸割り、アイスクリームにのせても楽しめます。

 

いろはゆず香る厚揚げ焼き

 

 

 

 

 

 

 

(上河内地区出身・佐藤一美さん考案)
❶ユズを半分に切り、皮(1/2個)は2、3㍉に細かく切り、果汁(大さじ1・約1/2個)を搾る。
❷厚揚げ1枚を1/4(食べやすい大きさ)に切り、トマト(1/2個)は1㌢角に切る。
❸ボウルに、切ったトマトとユズの皮と果汁、すり白ごま(大さじ1)を入れて混ぜる。
❹フライパンを熱して、厚揚げを入れ、表面に焼き色が付くまで両面を中火で焼く。
❺厚揚げをお皿に盛り付け、厚揚げの上にボウルで混ぜたもの(③)を上にのせ、好みでパルメザンチーズをかけて完成。
●ポイント
・切ったトマトとユズの皮と果汁、すり白ごま(大さじ1)をしっかり混ぜる。
※身近な材料を使い約15分で完成します。

 
 
 
 

 

 

 

 

 

(ユズ果実提供・斉藤良美さん)
 

 

 

 

 

 

冬の幸せ ユズ風呂

 ことしの冬至は12月21日。県内で〝ユズ湯風呂〟が楽しめる温泉や銭湯をご紹介します。夜が一番長くなる冬至の日には昔から「ユズ湯に入ると風邪を引かない」と言われています。ユズ湯に入って体ぽかぽか。寒さに負けず元気に過ごしましょう。

鬼怒川・川治温泉〝柚子ほの香〟

日光

 

12月14、15日、同温泉街の宿泊施設や公共浴場23カ所。宇都宮市の床井柚子園から提供された総量約230㌔のユズを使用。(問)市観光協会☎0288・22・1525。

※お風呂では袋に入れて浮かべます

 

ホテルサンバレー那須

那須

 

12月31日まで(予定)、ホテルサンバレー那須。自然に囲まれた温泉ゾーン「湯遊天国」の季節の湯のゆず風呂。日帰り入浴料金は、平日大人1000円、子ども500円、土・日曜、祝日大人1500円、子ども750円。休みは直接問い合わせを。(問)同ホテル☎︎0287・76・3800。

 

東照温泉

日光

 

12月21日(予定)午前10時~午後10時、東照温泉。600円、土・日曜、祝日700円。水曜休。(問)同温泉☎0288・21・8876。

幸の湯

小山

 

12月21日午後3時半~同10時、幸の湯(城山町)。1961年創業。市内で唯一営業を続ける昔ながらの銭湯の恒例行事。450円、小学生200円、幼児100円。(問)幸の湯☎0285・25・0356。

 

 

 

 

 

那須どうぶつ王国 カピバラ温泉

那須

 

12月20~22日(時間未定)、那須どうぶつ王国 カピバラの森。カピバラがゆず風呂に入る王国の風物詩。入国料金は、中学生以上2600円、3歳~小学生1200円、3歳未満無料、冬季期間(12月20日~2025年2月24日)は中学生以上2000円、3歳~小学生1000円、3歳未満無料。天候や動物により急遽変更する場合あり。(問)同施設☎0287・77・1110。