
少尉のいしぶみ 野木の空戦 ㊤目撃
上空で散った機体 脳裏に焼き付いた戦争
倉井利三(くらいとしぞう)少尉-。米軍爆撃機B29に日本軍機でぶつかり命を落とした軍人の名が、地域でほそぼそと語り継がれた。倉井少尉の碑は野木町佐川野に今も残る。ただ80年の歳月で、当時を知る人は減った。

「鳥の周りを飛ぶハエのように小さかった」。近くに住む大森博(おおもりひろし)さん(91)は小学5年生の時、日本軍機の墜落を目撃した。

1945年2月10日、ラジオからは空襲への警戒情報が流れていた。昼ごろ、自宅庭の防空壕(ごう)の前で、青空を西へ向かう20機ほどのB29が目に入った。
その付近を飛ぶ1機の日本軍機。よろけたように見えた直後、機体が散った。パラシュートが開き、ホッとした。だが突然、糸は切れ落ちた。
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