遺構は語る
戦後80年。戦争体験者の多くが鬼籍に入り、戦禍の記憶は薄れつつあるが、人知れず立つ碑やひっそりと残る跡が、あの大戦を後世につないでいる。県内各地の痕跡を随時紹介する。
=10日午前、佐野市植下町、河野光吉撮影
決戦へ 鎮守の森にも影
中隊、戦車など隠し置く
佐野市中心部から南へおよそ2キロ。同市植下町の閑静な住宅地の一角に、赤城神社が祭られている。その傍らに広がる木陰にはあの頃、戦車が並んでいた。
太平洋戦争末期の1945年夏。最前線のマレー半島やビルマ(現ミャンマー)で戦ってきた陸軍の戦車第一連隊が市内へ入った。本土決戦に備え、関東平野を守るためだった。
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