遺構は語る

戦後80年。戦争体験者の多くが鬼籍に入り、戦禍の記憶は薄れつつあるが、人知れず立つ碑やひっそりと残る跡が、あの大戦を後世につないでいる。県内各地の痕跡を随時紹介する。
 
1922年に建てられた旧汽罐室(国登録有形文化財)の壁面に残る迷彩。戦時中、空爆を恐れ従業員がコールタールで施した
=18日午後、足利市福居町、永嶌理絵撮影

 

近代化遺産 真っ黒に

戦時下の緊迫感伝える

 

 赤れんがが美しく積み上げられた巨大建物群。その外壁の多くに、空襲を避けるために黒く塗られた跡が今なお残る。