遺構は語る

戦後80年。戦争体験者の多くが鬼籍に入り、戦禍の記憶は薄れつつあるが、人知れず立つ碑やひっそりと残る跡が、あの大戦を後世につないでいる。県内各地の痕跡を随時紹介する。
 
木々が茂る山頂にある防空監視哨。古井戸のような筒の中にはベンチが残っている
=5日午前、那須烏山市中央1丁目、磯真奈美撮影

 

敵機を監視、空襲警報へ

戦争の記憶、今は遺構だけが

 

 城下町を見渡す、那須烏山市の筑紫山(標高199メートル)。山頂にコンクリート製の円筒構造物が残る。こけむしたそれは太平洋戦争中、日本本土に飛来する米軍の爆撃機や戦闘機を見つけるための監視所だった。