遺構は語る

戦後80年。戦争体験者の多くが鬼籍に入り、戦禍の記憶は薄れつつあるが、人知れず立つ碑やひっそりと残る跡が、あの大戦を後世につないでいる。県内各地の痕跡を随時紹介する。
 
民家の庭に残る直径約10メートルの防火水槽跡。防火水槽は戦中、飛行場の敷地で使われていたが、現在の跡には花などが植えられている
=4月19日午後、壬生町壬生丁、河野光吉撮影

 

庭先に軍飛行場の面影

開発の波 記憶かき消す

 住宅や田畑が広がる壬生町壬生丁。須藤秀穂(すとうひでほ)さん(75)方の庭先に、直径約10メートルにも及ぶ円形の防火水槽跡が残る。旧日本軍の飛行場で使用されていた。