遺構は語る

戦後80年。戦争体験者の多くが鬼籍に入り、戦禍の記憶は薄れつつあるが、人知れず立つ碑やひっそりと残る跡が、あの大戦を後世につないでいる。県内各地の痕跡を随時紹介する。
 
宇都宮空襲で被災したカトリック松が峰教会。壁などに使われている大谷石の一部には当時のものが残る
=6月28日午後7時50分、宇都宮市松が峰1丁目、河野光吉撮影(超広角レンズ使用)

 

烈火に包まれた石の壁

空襲の爪痕 伝える聖堂

 620人以上が犠牲となり、県都が壊滅的な被害に見舞われた1945年7月12日の宇都宮空襲。東武宇都宮駅から徒歩5分の距離にあるカトリック松が峰教会(宇都宮市松が峰1丁目)はその爪痕を生々しく伝えている。