
行楽にふさわしい季節になりました。たまには鉄道を使って出掛けるのも良いでしょう。そんな時に楽しみの一つが「駅弁」。駅弁の発祥の駅は、諸説はあるそうですが、日本鉄道(当時)の宇都宮駅というのが一般的です。1885(明治18)年7月16日(大宮―宇都宮間が開通)に販売した「おにぎり2個とたくあん2切れ」でした。
それから134年。戦前から本県は駅弁業者が多く存在する〝駅弁王国〟 と言われていたそうです。今回はそんな流れが存在する県内の駅弁を紹介。超豪華なものから、地方色豊かなもの、見た目にも楽しいものなどがそろいました。



テレビでも話題になったことのある「日光埋蔵金弁当」。日光彫を施した文箱に入った豪華お宝弁当と季節の和菓子が入った日光彫の楕円形二段弁当箱、日光彫の夫婦(めおと)箸が付いて、全国駅弁最高額の18万円。

中身は、日光鱒(ます)寿司、日光姫寿司、厳選された最高級タラバガニの太い脚肉に覆われたばらちらし、車エビの塩焼き、マスの塩焼き、とちぎ和牛ヒレステーキ、キャビアをたっぷりかけた日光刺し身ゆば、揚巻きゆばなど駅弁とは思えない豪華食材を使った内容。ご飯も日光産の無農薬米というこだわり。納得の高級弁当です。「日光や栃木のお宝を全国の人に知ってもらいたい」との思いで販売しています。
(問)日光鱒寿司本舗☎0288・26・6550。

道の駅日光街道ニコニコ本陣。予約可

SL大樹営業運転開始に合わせ発売した2段弁当「SL大樹日光埋蔵金弁当」(1350円)と、C11-207号機の形をしたプラスチック製容器に入った「SL大樹日光埋蔵金弁当PREMIUM」(1750円)の2種類。日光埋蔵金弁当のこだわり素材と味をそのままに、コンパクトにしてお手頃価格で提供しています。

2段弁当には銀色、SL型弁当には金色の刻印入りスコップ形の特製ランチスプーンが付いていて、SLファンにはたまらない駅弁です。器も満足、味も満足のSL路線ならではの逸品です。
(問)日光鱒寿司本舗
☎0288・26・6550。

鬼怒川温泉駅改札外の各売店「ACCESSとーぶ」及び油源店内

1859(安政6)年創業、山椒(さんしょう)と駅弁の店「油源」。同店のベジタブル&フルーツマイスターの資格を持つ女性社長が作る、彩り鮮やかな見た目とヘルシーで上品な味わいが人気の「ゆばちらし弁当」(880円)。

駅弁でも野菜を取りやすくしたいと、季節に合わせた生麩(ふ)や、たけのこ、ニンジン、しいたけ、きゃらぶきなどの旬の野菜の煮物を、とろりとした味わい豊かな日光のゆばにのせました。
モミジ模様の千代紙をあしらった、同店オリジナル特製わっぱに入った、上品で華やかな駅弁です。
(問)油源 日光市上鉢石町1028の1☎0288・54・1627。

「新生姜」尽くしで

宇都宮の駅弁の老舗「松廼家」で、通常約20種類ある中の人気の新商品。岩下食品(栃木市)とのコラボ弁当です。950円。
岩下の新生姜(しょうが)を炊き込んだご飯で、県産「いっこく野州どり」のそぼろを挟み、その上には新生姜と卵そぼろ。新生姜衣の鶏から揚げや鶏つくね、新生姜入りユーリンチーソース、岩下漬けのピンク色がきれいなうずら卵、ニンジンの岩下漬けとクルミのマリネマスタード仕立て。新生姜のさわやかな風味と相性の良さを味わえる、岩下の新生姜尽くしの駅弁です。
また、新生姜を持ち勇ましい表情の鶏のイラストのパッケージがユニークです。

(問)松廼家
☎028・634・2426。

特製手ぬぐい付き

地元の牧場で育てられたブランド肉やまと豚にフルーティーなしょうゆだれが食欲をそそる「やまと豚弁当」(1030円)。しょうゆは大間々駅からほど近い岡直三郎商店の「日本一しょうゆ」を使用。掛け紙の裏面には観光ガイド、特製の手ぬぐいも付いています。手ぬぐいは水沼駅温泉センターでご利用を。

神戸駅構内にある「列車のレストラン清流」で販売。東武日光線で活躍した特急「けごん」の車両を活用したレストランは食堂車のような雰囲気。ここでゆっくり食事を楽しむのもお勧めです。春の桜・花桃、秋の紅葉のシーズンは多くの人でにぎわいます。紅葉は例年10月末ごろが見頃。
(問)列車のレストラン清流☎0277・97・3681。

ふたに「SLもおか」が焼き印

ふたに「SLもおか」が焼き印された杉の曲げわっぱ。開けると、彩り鮮やかにおかずが並びます。1000円(5個以上の人は3日前までに要予約)。

茨城県筑西市の「ホテルニューつたや」が製造しています。コシヒカリ米にキングポーク、ブロッコリー、サツマイモ、レンコン、ミニトマトなど地元の食材にこだわり、サケは勤行川に遡上(そじょう)するサケをイメージしています。
勇壮な汽笛と車窓からの風、のどかな田園風景を眺めながら味わう弁当は格別です。曲げわっぱは洗って記念にしたり、使ってみても。SLと共に楽しい思い出が一つ増えそうです。
(問)同鐵道☎0285・84・2911。