7月10日は納豆の日。なっ(7)とう(10)の語呂合わせから、納豆の消費拡大のため関西納豆工業協同組合が制定し、その後、全国的な記念日になりました。安価なうえに栄養豊富で私たちの食卓に欠かせない納豆ですが、新型コロナウイルス感染予防として納豆の免疫力アップ効果の期待が高まり、一時は店頭で品薄状態になるほど身近な頼れる存在です。今回は足利市の稲葉納豆工業所にお薦めの納豆アレンジレシピを聞きました。
日本が誇る健康食

稲葉納豆工業所 足利
稲葉納豆工業所(稲葉好聡代表)は創業101年。1919(大正8)年、米屋だった初代の稲葉米吉がご飯のお供「納豆」に魅了されて開業したのが始まりです。

大豆のうま味を守るため機械だけに頼らず、大豆を手洗いするなど手作業も含めた製造を行っています。主な原材料の大豆は、納豆に最も適した高たんぱくで糖質の多い北海道産のスズマル大豆とトヨマサリ大豆、黒大豆の光黒を使用。おいしさと鮮度を保つ経木の包装もこだわりの一つです。


■ 粒の大きさの特徴は?
同社で製造する納豆の粒の大きさは極小粒、小粒、大粒。極小は米粒に近い大きさで食べやすさが人気です。小粒はクセがなく柔らかでうま味が強いのが特徴。大粒は栄養豊富で大豆本来の味わいも楽しむことができます。
■ 納豆の食べごろは?
納豆の賞味期限は約10日間。納豆を一番おいしく食べるなら、記載された賞味期限から5日前くらいがお勧めです。賞味期限が近くなってくると少しずつ苦味が増してきます。
■ 保存方法は?
どうしても賞味期限内に食べきれないという時には、冷凍すると発酵が止まり2カ月間保存することができます。解凍は冷蔵庫で行ってください。
※電話受付時間は午前9時~午後5時 土・日曜、祝日休
納豆+○で 栄養倍増!

酢は強力な殺菌作用があるため納豆菌の働きを弱めてしまう。熱を加え過ぎても効果が弱まる。納豆菌の働きのためには、酢や熱を加えるのは控えめにすること。

レシピを教えていただいたのは
稲葉淳輔工場長(31)と
母親で役員の稲葉るり子さん(58)。
稲葉さんに聞くアレンジレシピ
納豆+〇で栄養倍増!

❶納豆(1パック45㌘)は、タレを入れてかき混ぜておく。
❷マグロ(刺し身用・ブツ切り)50㌘を納豆と軽く混ぜ合わせたら器に盛る。万能ネギ・シソ(適量)をのせる。

❶大和イモ150㌘はポリ袋に入れ、麺棒で好みの大きさになるまでたたく。
❷オクラ4本はガクを取り、柔らかくなるまでゆでる。冷めたら小口切りにする。
❸納豆(1パック45㌘)を、タレとからしを入れてよくかき混ぜる。
❹器に納豆、大和イモ、オクラを盛り、かつお節適量をふる。

❶ゴーヤ(1/2本)は、ワタと種を取り薄切りにし塩もみをした後水洗いする。
❷タマネギ1個は薄切りにして水にさらす。
❸①②の水けをよくきったら、黒大豆納豆(1パック30㌘)とあえる。皿に盛りポン酢をかける.
※付属のタレとからしは好みで使用してください。

❶納豆(小1パック25㌘)をよく混ぜたら、食パン1枚の上にのせる。さらにピザ用チーズ(適量)をのせ、マヨネーズ(適量)をかける。青のり(適量)をふる。オーブントースターでこんがりと焼く。
県内にはいくつかの納豆製造工場・店舗があります。県内に本社がある納豆工場をいくつか紹介します。
ヘルシーフーズワタナベ 茂木

ヘルシーフーズワタナベは、創業1890(明治23)年、納豆一筋、今年で130周年を迎えた老舗納豆メーカーです。
県内のスーパーなどで見かける「あさひ納豆ブランド」は、老若男女問わず愛されている商品です。製造のこだわりを「大豆の品種や気温、湿度などを見ながら蒸煮(じょうしゃ)や発酵に手間をかけて作り出す納豆は、まさに職人技である」と話す5代目の渡辺成行社長(58)。

口にしてみれば、ふっくらまろやかな大豆のうま味を感じられます。また、創業100周年の際に発売された「味百年納豆」を道の駅もてぎ限定で好評発売中です。ぜひ、味わってみては。
茂木町茂木259 ☎0285・63・1578
こいしや食品 宇都宮

1916(大正5)年に氏家町(現さくら市)で豆腐屋として創業の同社は、その後、納豆、油揚げと大豆食品全般を製造するようになりました。
「平家納豆」は同社の小池泰史社長が平重盛の子孫ということに由来して名づけられた看板商品。全国納豆鑑評会で大粒、中粒、小粒で最優

秀賞と優秀賞を受賞している自信作です。国産の大豆を大谷石室で温度と湿度を適度に保ち、ゆっくり熟成させて出来上がる良質な納豆で、日光市の醤油醸造元、高橋弥次右衛門商店と共同開発したしょうゆダレが付いています。

本社工場併設直売場があります。
宇都宮市宮山田町2353の1
☎028・674・7800
あづま食品 宇都宮

昭和20年代の初め、創業者の黒崎達也さんが、東北で食べた納豆に感銘を受けたことから地元宇都宮市であづま納豆店を創業。その後、栃木工場に加え、西日本や東北でも生産を開始。現在では全国のみならず海外でも食べられている納豆会社に。

今年で創業70周年を迎えます。当時の「日本で一番おいしい納豆を作りたい」という熱い思いを今も受け継いでいます。
看板商品「舌鼓」シリーズは、国内で栽培した納豆専用大豆「納豆小粒(しょうりゅう)」を使用。粘りがあり、大豆本来のおいしさを味わえる小粒納豆です。
宇都宮市下田原町3480の2 ☎028・672・2112