秋の味覚の柿、ユズ、ギンナン。食卓の主役ではないけれど、秋には欠かせない食材といっていいでしょう。県内にはこの三つの食材を栽培しながら、守り育てているグループがあります。その活動を紹介しながら、三つの食材を上手に利用する方法や食べ方、食材を使ったメニューを紹介します。


一流も太鼓判の「宮ゆず」

宇都宮ゆず組合 宇都宮
2010年11月、先代が育ててきたユズの木を生かすべく代表の床井光男さんを中心に2世組合員で「新里ゆず生産出荷組合」を「宇都宮ゆず組合」と改称しスタート。「宮ゆず」という新ブランドの確立を目指して活動しています。大嘗祭(だいじょうさい)の献納品としても奉納しました。
寒地ユズの「宮ゆず」は、皮が厚く、実が小さくて果汁が多いのが特徴。香りが高く健康成分が多いといわれています。日本料理つきぢ田村などの料亭やホテルに卸すなど一流料理人に認められています。11月中旬から、道の駅うつのみや ろまんちっく村で購入可能。ユズ成分たっぷりの加工品も道の駅などで販売中。
(問)床井柚子(ゆず)園 ☎028・665・1745。



手軽に〝濃いユズ〟堪能!

「ユズ屋が加工品を作ったらユズを多く使わなくては。だから宮ゆずの加工品は、その成分の中でユズを一番多く入れてあります」と床井さん。「宮ゆず果汁」に至ってはユズ果汁100%。まさにユズそのもの。ゆずパウダーや柚子胡椒などもユズの風味をたっぷり味わえます。また、宮ゆずジャムはジャムとして使うだけでなくゆず味噌にするなど料理にも使えて便利です。


特産に翡翠色の高級食材

那須ぎんなん倶楽部 大田原
ギンナンは中国が原産で不老不死の食材と言われ、薬膳料理にも使われていた高級食材の一つ。10~11月ごろが最盛期です。
22年前、代表の新江章平さん(74)が知人から鈴なりのギンナンがなっているイチョウの枝をもらったことが倶楽部のきっかけ。病虫害に強いこと、大田原市の「市の木」が「イチョウ」だったこともあり市内生産者を募り発足しました。その生産・収穫、出荷までを行っています。
「接木をしながら立派な実がなるまでに8年ほどかかりました。毎年大変だけれども、みんなで楽しくできるのが楽しい」と新江代表。
現在メンバーは17人。大きな実が特徴の「藤九郎」をはじめ、9月末から出る早生の「金兵衛」、中生の「久寿」、晩生の「喜平」の4種類をメインに農薬不使用で自然栽培し、那須ぎんなん倶楽部全体で年間20~25㌧ほどの収穫量を誇ります。道の駅与一の郷直売所にて4月ごろまで購入可能。
(問)新江さん☎090・8899・3442。





丹精し〝長寿〟の高級品に

河井上柿生産組合 茂木
だいだい色が美しい釣り鐘型の柿は、上品な甘さと香り。渋柿の品種、蜂屋柿を栽培し、エタノール入りのビニール袋をかけて樹上脱渋した甘柿は、河井地区に伝わる言い伝えから「長寿姫」と名付け、販売しています。
現在、生産者5軒の同組合。スタートは、遊休農地が多くなり「何か作れるものはないか」と仕事をリタイアした人などが結成。小林孝壽組合長(73)によると、1㌶の畑に約500本を栽培。皮むきから手作業の干し柿「長寿柿」は、高級品まであり人気です。販売は道の駅もてぎ、いい里さかがわ館、県内のスーパーかましんなどで。
(問)小林組合長☎0285・63・1295。


❷ お湯や焼酎に漬け消毒(熱湯10秒。焼酎20秒)。
❸ ひもかけをして干す。軒先など日当たり、風通しの良い場所を選ぶ。鳥にいたずらされないようにネットをかける。
❹ 雨の日は扇風機で。室内に取り込み扇風機の風でカビ防止をする。
❺ 指で優しくもむ。干してから10日くらいたち、しんなりしてきた時が目安。雨が多く暖かい時は避ける。
❻ 白粉がうっすら吹いてきたら取り込む。干してから約1カ月が目安。ひもから外し、ヘタのヒラヒラをきれいに取る。