駄菓子屋
今も昔も
子どもの〝よりどころ〟
今回は「駄菓子屋」特集です。昭和の子どもたちにとって、駄菓子屋は毎日の社交場でした。50円や100円玉を握りしめ、懸命に計算しながら駄菓子を買う。そんなワクワクする空間は、今も県内各地で愛されています。今度の休みはぜひ、大好きだった10円駄菓子や懐かしい思い出を求めてお店へ。

70年以上続く〝社交場〟
パーマ屋文具店 宇都宮
ずっと変わらぬ笑顔がある
中央小前で店を開け続けて70年以上。100種を超える駄菓子やおもちゃなどが並び、楽しさがぎゅっと詰まった空間です。子どもだけでなく大人にも人気で、人々の交流の場になっています。
「体が動くうちは続けたいね。3世代で通ってくれる人もいるし、色々な年代の子どもたちと話ができるのが楽しい」と店主の森田光子さん(83)。〝地域のお母さん〟の変わらぬ笑顔が人々を引きつけます。


午前11時半~午後6時(土・日曜、祝日は午前10時ごろから)、無休。
(問)同店☎028・635・8100。
「学校前の駄菓子屋」の今昔
仁平商店 宇都宮
寄り添い 見守り 喜びも
コンビニない時代
空腹満たせる物を

時流れ高校が中学に…
交流と思い出が原動力
かつて当たり前のようにあった「学校前の駄菓子屋」は、時代とともに減り、今では貴重な存在に。その一つ、宇都宮市の西原小と一条中の隣にある「仁平(にひら)商店」を訪ねました。
創業は1958年。2代目店主の仁平稀久枝さん(85)が、亡き父忠衛さんから店を引き継いで約55年になります。店にやって来る子どもたちの喜怒哀楽に寄り添い、その成長を見守ってきました。
すぐそばの一条中には以前、宇都宮工業高がありました。約70年前は売店もコンビニもなく「この辺に店があったらな」という生徒たちの会話をきっかけに開店。部活動や夜間定時制の生徒たちのために朝5時半から夜10時まで店を開け、駄菓子だけでなくパンやおにぎり、冬はおでんを販売していました。
「何も買わなくていいから話しにおいで」。家族のような優しい気持ちで接してきた仁平さんには、子どもたちとの温かいエピソードがいっぱい。「1冊の本になるくらい」と笑顔を見せます。
現在、お客のほとんどは小学生。「いろんな子がいて楽しい。卒業生が親になって子どもと来てくれたり、ふらっと立ち寄ってくれたりするのがうれしい」。子どもたちとの交流から生まれる喜びが仁平さんの原動力です。


午前6時~午後6時半、日曜休。
(問)同店☎028・636・5833。
10円のワンダーランド
お菓子のやまぎし 五十部店 足利
たくさん買える喜び大切に

モザイク模様の三角屋根が目印。駄菓子の種類が豊富で老若男女から親しまれています。小さな子どもでも手の届きやすい棚には、10円の駄菓子がずらりと並びます。
菓子卸売業を営み足利丸足地方卸売市場に店を構える店主の山岸康一さん(49)が、20年ほど前にオープン。駄菓子店を切り盛りするのは妻の祐子さん(49)。「10円の商品がだいぶ少なくなってきていますが、『100円でたくさんお菓子が買えた』という子どもの笑顔を大切にしていきたい」と話します。


午前11時~午後6時、水曜休。
(問)同店☎0284・21・1629。
懐かしの味わい今も
ゆうゆうもんじ 真岡
味付けトッピング自分流

懐かしの「もんじ(もんじゃ)焼き」のある駄菓子屋。店主の伊沢登志夫さん(68)は「〝友〟達との〝遊〟び場を提供したい」との思いで「ゆうゆう」と命名しました。
一番人気は「ベビーもんじ」(330円)。宇都宮市石井町の「きくちもんじ」の味を受け継ぎつつ、独自の「デザートもんじ」(200円)など多彩な味を提供しています。常連客からは「もんじに駄菓子を混ぜ込んで焼けるのが魅力」と評判です。



午前11時半~午後7時、火曜休。
(問)同店☎️080・2090・8866。
駄菓子と模型がいっぱい
め組@笑店・M企画 日光
大人も子どもワクワク!


今年6月、大桑バイパス沿いにオープン。斎藤恵さん(駄菓子販売・め組@笑店)と岩井美香さん(模型販売・M企画)のコラボ店で、2人のレトロ愛が詰まっています。
口コミが広がり開店当初から盛況で「仕入れが追い付かないことも。リクエストに応え、駄菓子は200種以上になりました」と斎藤さん。週末には射的やヨーヨー釣りなどイベントを開催予定。最新情報はインスタ(@megumisyouten.mokeiyam)で。


午前10時~午後6時、無休。
(問)同店☎070・1366・0712。