栃木の龍
今年は、あと4日で終わりです。来年は辰(たつ)年。十二支の中で唯一、空想上の生き物で、願いをかなえ物事を好転させてくれると伝えられています。2023年最後のアスポは、龍(りゅう)にちなんだ県内のスポット・商品を紹介します。皆さんにとって、来年もすてきな一年でありますように。
神秘の力に安泰願う
龍モチーフの屋台
屋台のまち中央公園 屋台展示館 【鹿沼】

きらびやかな装飾で「動く陽明門」とも呼ばれる鹿沼の彫刻屋台。毎年10月に行われる「鹿沼秋まつり」のメインとなるユネスコ無形文化遺産「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」で繰り出される氏子町の屋台は27台。その全面に施された彫刻の中で最も多く用いられているモチーフが「龍」です。
鹿沼市中心部にある展示館では、約200年前の江戸時代後期に制作された3台の屋台を常時公開。極彩色で彩られた金龍をはじめ、子引き龍や玉取り龍、波に双竜など、立体的で躍動感あふれる多彩な龍の彫刻を見ることができます。
祭りとは違った静かな雰囲気の中で屋台彫刻をじっくりと鑑賞しながら、神秘的な力を持つという龍の彫刻に地域の安泰を願った当時の人々の思いを感じてみては。

午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。12月28日~1月4日、月曜(祝日は開館、翌日)休館。
(問)同施設☎0289・60・6070。

運気上昇、飛躍の新年へ
翼持つあうんの飛竜が守る
祖母井神社の飛竜 【芳賀】


祖母井神社の神使であり、伝説の霊獣「飛竜」。本殿の東と西側に、妻飾りの彫刻としてあうん一対が施されています。翼と角がある飛竜は、火伏せの水神様。神の権威を高め守るため、火をよけるという意味合いが強くあると言います。
同神社の栁田晋作宮司(45)は「翼を持つ竜にちなんで、飛躍の年になりますように」と思いを込めます。社務所では飛竜の「仕事守」(1000円)も頒布しています。

社務所の開設は火、木、土・日曜、祝日午前10時~午後3時(年末年始については問い合わせを。参拝は自由)
(問)同神社☎028・677・0277。

学問・人生開運 R上に鎮座
五龍王神社 龍王峡 【日光】

鬼怒川の景勝地である龍王(りゅうおう)峡を見渡す崖の上に鎮座していて、鬼怒川・川治二つの温泉の守護神、御神体龍神像が祭られています。
主祭神は「高龍命(たかおのみこと)」で学問、人生開運などの御利益があります。この像は、鶏頂山にある弁天沼に祭られてきました。その後、無住の山中に置くことを惜しみ、村人によって神棚に祭られました。しかし家の荒廃など不運が続いたため、再び弁天沼に祭ろうと祈願中、龍王神が降臨し、現在地である「夜たか遊ばせの滝」に祭るようにという神託があります。現在は、地元の氏神としてあがめられています。

伝説の滝 エ神パワーを!
龍門ふるさと民芸館 龍門の滝 【那須烏山】

江川にかかる高さ約20㍍、幅約65㍍の龍門の滝。隣接する龍門ふるさと民芸館の龍神洞には、滝の由来である大蛇伝説の龍神が鎮座し、目を光らせて語りかけてくれます。
滝の中段には男釜、女釜と呼ばれる二つの縦穴があります。伝説によると、男釜から現れた大蛇は、すぐそばの太平寺の仁王門にぐるりと7周半、巻きついたといいます。
伝説と四季折々の風景美。滝の上を通るJR烏山線の蓄電池駆動電車「アキュム」と一緒に滝を見ることができます。
午前9時~午後4時。12月29日~1月3日、火曜休(祝日の場合は翌日)。
(問)同館☎0287・83・2765。

とちぎ〝龍〟の縁起物
万物に恵み、過去未来も守護
龍神破魔矢 日光山輪王寺 蝸Q院 日光
日光山輪王寺で大猷院境内の夜叉門に安置された破魔矢発祥の仏様「烏摩勒伽(うまろきゃ)」が右手に携えている矢をかたどっています。
さまざまな恵みを万物にほどこすという「昇り龍」のデザイン。矢の先を上に向け、一生まつれる破魔矢として国宝の拝殿で授与しています。
一体3000円。現金書留での申し込みも可(詳細はホームページhttps://www.rinnoji.or.jp)。

日光市山内2300
☎0288・53・1567
午前8時半~午後3時半
大人550円、小中学生250円
Ⓟ近隣の有料駐車場を利用
願うは良い年! お守りに
ジャガマイタおみくじ 間々田八幡宮 【小山】
五穀豊穣や疫病退散を祈願して、「ジャーガマイタ、ジャガマイタ」の掛け声と共に、巨大な龍頭蛇体(りゅうとうだたい)を担ぎ練り歩く。
江戸時代から約400年続く国重要無形文化財の伝統行事「間々田のじゃがまいた」。祭りのシンボルをモチーフにした「ジャガマイタおみくじ」(初穂料300円、通年)が、参拝者に人気です。
つぶらな瞳で見つめられると、思わずどれにするか迷います。


小山市間々田2330
☎0285・45・1280
午前9時~午後4時半(1月1~3日は午後5時ごろまで)
Ⓟ100台
年末年始あいさつにいかが
干支どら 高林堂 本店 【宇都宮】
老舗和菓子店が15年ほど前から、年末年始限定で販売しているどら焼き「干支どら」(216円)。「辰」の焼き印は、和氣康匡社長の子どもが描いた干支のイラストを使っています。
こだわりの原材料「日光金乃卵」を使用し、ふんわり・しっとりした生地に、北海道産小豆をつややかに炊いた粒あんがたっぷり。全店舗で発売中、なくなり次第終了。

宇都宮市馬場通り3の4の7
宇都宮ピークス1階
☎028・633・4946
午前9時半~午後6時
㊡元日
Ⓟ1台(ほか提携駐車場あり)