この味 テッパン 粉もんinとちぎ

 今回は、「粉もん」特集です。粉もんとは粉を使った料理の総称。お好み焼きやもんじゃなど定番をはじめ、たい焼きやうどんなど無性に食べたくなるメニューが満載です。栃木っ子が愛する粉もんの店と、粉もん文化で知られる関西の味をお楽しみください。

関西風お好み焼き
ARIGATO(ありがとう)真岡店
【真岡】
感動的ふわとろ食感

 口の中で溶けていくような、ふわとろの食感。生地と具材を混ぜて焼く関西風のお好み焼きを、スタッフが目の前で愛情込めて焼いてくれます。
 光内亜蘭店長(35)の一押しは、定番の「豚玉」(803円)です。県産の小麦粉や豚バラ肉、キャベツ、卵を使用。天かすや紅しょうが、万能ネギが入り、うまみと風味も格別です。
 感動的な食感の秘密は、たっぷり入った長イモと鉄板の厚み。「生地と具材を混ぜる時に空気を含ませることで、鉄板の遠赤外線がその空気を暖めてふんわりした食感が生まれます」と光内店長。サラダ、ドリンク、デザートが付くランチセットもあります。

熱々ふわとろのお好み焼きをどうぞ
熱々ふわとろのお好み焼きをどうぞ
 
店内はモダンなカフェのよう
昭和レトロな街並みが残る門前地区の一角にある店舗
昭和レトロな街並みが残る門前地区の一角にある店舗

真岡市荒町1039の1
☎0285・81・5646
午前11時半~午後2時(OS)、午後5時~同10時(OS)
木曜休
Ⓟあり

 

広島風お好み焼き
広島風お好み鉄板焼 福み亭
【那須塩原】
具を重ね、蒸し焼きに

 広島県のソウルフードといえば、鉄板で食べるお好み焼き。「広島風お好み焼き」(950円、焼きそばかうどんを選択)は、名物「カープソース」やミックス粉、天かすなどを広島から仕入れて使用するこだわりの一品です。
 関西風との大きな違いは調理法。関西風は生地と具材を混ぜてから平らに焼き上げる「混ぜ焼き」。一方、広島風は薄く伸ばした生地にキャベツや麺などの具材を積み重ね、時間をかけて蒸し焼きにする「重ね焼き」。トロトロになるまでやわらかくなったキャベツの食感が本場仕込みの特徴です。
 ランチセットは1200円。夜は落ち着いた雰囲気で楽しめる鉄板焼きやコースもお薦めです。

ミルフィーユ状の断面が特徴「広島風お好み焼き」と「カープソース」
ミルフィーユ状の断面が特徴「広島風お好み焼き」と「カープソース」
薄い生地に具材を重ねて蒸し焼きにします
薄い生地に具材を重ねて蒸し焼きにします
調理風景を間近で楽しめる鉄板カウンター
調理風景を間近で楽しめる鉄板カウンター
JR那須塩原駅から徒歩10分の好立地
JR那須塩原駅から徒歩10分の好立地

 

那須塩原市前弥六南町15の8
☎︎080・3424・1205
午前11時半~午後1時(OS)、午後5時半~同9時(OS)
日・月曜、木曜のランチ休
Ⓟ10台

 

明石焼き
お好み・もんじゃ・鉄板焼き つくし 
【日光】
親しまれた味を継ぐ

 小麦粉とじん粉、卵とだし汁の生地にタコを入れて焼き、つけ汁につけて食べる兵庫県明石市の郷土料理「明石焼」。  県内では数少ない明石焼を出す店として宇都宮で30年以上親しまれた店が閉店。それを惜しんだ現在の店のオーナーが元店主に掛け合い、のれんを継ぎ3年前にオープンしました。     
 明石焼を焼くのは、宇都宮の店で50代の頃から働いていた佐藤サヨさん(81)。先代の店の味を受け継いだ「明石焼き」(10個858円)は、フワフワの生地とだしの優しい味わいがよく合います。店長の江口洋介さん(36)は「来店客のほとんどが明石焼きを注文する」と笑顔の中に自信をのぞかせます。

フワフワに焼き上がった明石焼。だしにつけて食べるとトロトロの食感が楽します
フワフワに焼き上がった明石焼。だしにつけて食べるとトロトロの食感が楽します
佐藤さん(左)と、佐藤さんのことを親しみを込めて「お母さん」と呼んでいる江口店長
佐藤さん(左)と、佐藤さんのことを親しみを込めて「お母さん」と呼んでいる江口店長
座敷とテーブル席があり、一人客も多いという
座敷とテーブル席があり、一人客も多いという
店は幹線道路沿いにあります
店は幹線道路沿いにあります

 

日光市今市976の5
☎0288・30・5294
午後5時~同11時15分(OS)、土・日曜、祝日は午前11時半~午後2時15分(OS)も
※終了時間が早まる場合あり、電話で確認を     
火曜・第3月曜休
Ⓟあり

 

たい焼き
小島屋 【小山】
一個焼きでフワ、カリッ

 一個ずつの型で焼いた〝天然物〟のたい焼きが自慢。自家製の生地に北海道産小豆を使った自家製あんを入れ、こだわりも詰まっています。
 1967(昭和42)年の開業当時から大切に使用している型で焼く「つぶあん」「こしあん」「クリームたいやき」は、170円。皮はふっくらカステラ風。生地は厚めで中がフワフワ、表面はカリッとしています。たっぷり入ったあんは、甘さ控えめの飽きない味。注文を受けてから焼くので5分ほど待ちます。春までの季節限定の「チーズ」「チョコ」(いずれも180円)も人気。
JR小山駅西口近くにある店は、昔も今も小さい子どもから年配まで幅広い年代に親しまれています。電話予約がお薦め。

王道のつぶあん。尻尾まで中身がたっぷり!
王道のつぶあん。尻尾まで中身がたっぷり!
明るい店内でたい焼きのほか、焼きそばやラーメンも味わえます
明るい店内でたい焼きのほか、焼きそばやラーメンも味わえます
「焼きたてをどうぞ」と代表の小島真一さん(52)
「焼きたてをどうぞ」と代表の小島真一さん(52)

小山市中央町3の3の10
☎0285・22・2883
午前10時~午後6時
水曜休
Ⓟなし

 

足利もんじゃ
はとや お好み焼き店
【足利】
しょうゆ+ウスターソース
人気の味、時代に合わせて

 奈良県出身の瀧谷瑞さん(83)が、妻の美代子さん(81)と鑁阿(ばんな)寺北門の前に店を開いてちょうど50年。現在は、息子で2代目の純一さん(53)と家族3人で切り盛りしています。
 開業時は、関西風のお好み焼きを売りにしていましたが「足利ではもんじゃが人気だと分かってすぐにメニューに加えた」と瑞さん。
 「もんじ焼」(500円)はニラやカレーなど10種類以上のメニューがそろいます。足利もんじゃは、しょうゆとウスターソースで味付けするのが主流ですが、最近では調味をしない「めんたいチーズもんじ焼」(650円)が人気で、時代の変化を感じているそうです。

店主の瀧谷さん。土手を作らず焼くのが足利もんじゃ
店主の瀧谷さん。土手を作らず焼くのが足利もんじゃ
流行中の「めんたいチーズもんじ焼」。店ではもんじゃを「もんじ」と表記
流行中の「めんたいチーズもんじ焼」。店ではもんじゃを「もんじ」と表記
気さくな店主とのやりとりも楽しい
気さくな店主とのやりとりも楽しい
鑁阿寺北門の前にある店
鑁阿寺北門の前にある店

 

足利市家富町2247 
☎0284・42・6998
午前11時半~午後5時半(OS)
火・水曜休 Ⓟ3台    

 

土手を作らないのが足利流ー

ウィキペディアにも掲載
 東京の浅草近辺が発祥といわれる「もんじゃ焼き」。インターネット百科事典ウィキペディアでは、イチゴシロップで有名な群馬県の「伊勢崎もんじゃ」と並んで「足利もんじゃ」も掲載されています。足利では粉もんの相棒といえばソース。そこで創業100年を超すソースメーカー月星食品の長沼幹雄社長(51)に「足利もんじゃ」について聞いてみました。

月星食品 長沼社長に聞く

 社長によると、「足利もんじゃ」(プレーン)の主な材料は、水、小麦粉、卵、キャベツと店独自のだし。そこにトッピングで天かすやベビースターラーメンなどを追加で注文。もんじゃの器が運ばれてきたら、しょうゆとウスターソース1対1の割合を基本として客が自ら味付けし、よく混ぜたらそのまま鉄板に流し込んで、土手を作らず焼くのが足利流、とのことです。
 昭和の時代には、子どもたちが駄菓子屋で楽しむおやつとして人気で、今でも市内にあるお好み焼き店などで味わうことができるといいます。

 

 

ソース焼きうどん
お好み焼きの店うどんや
【宇都宮】
大谷石蔵で関西の味

 食い倒れの街大阪の粉もん料理を看板に、28年前に開業。店名「うどんや」の由来は、かつて同店舗で営んでいたうどん製麺所の屋号から名付けられたそうです。その大谷石の石蔵をリノベーションした空間も魅力の一つ。
 幅広い世代に人気の「ソース焼きうどん・小」(990円)は、うどん1玉に海鮮や豚肉、キャベツが入り食べ応え十分。オリジナルソースの味わいが食欲を誘います。関西でネギといえば青ネギで、京都産九条ネギの「ねぎマヨ」(220円)トッピングがお薦めです。
 他にも、「お好み焼き」はもちろん、一番人気「とん平焼き」など、関西でなじみの深い鉄板焼きを取りそろえています。

豚、イカ、エビ、ホタテ、キャベツが入って食べ応え抜群「ソース焼きうどん」
豚、イカ、エビ、ホタテ、キャベツが入って食べ応え抜群「ソース焼きうどん」
石壁に囲まれた落ち着いた雰囲気の店内
石壁に囲まれた落ち着いた雰囲気の店内
田んぼが広がる地域にある石蔵が目印
田んぼが広がる地域にある石蔵が目印

宇都宮市屋板町685
☎︎028・656・2420
午前11時半~午後2時半(OS)、午後5時半~同9時半(OS)
火曜休
Ⓟ20台