
時忘れ アートに浸る
秋が深まってきました。こんな時季は木々の色づきを楽しみながら、美術館に足を運んでみてはいかが。注目の企画展や自然を生かしたロケーション、お薦めのカフェがある…など編集室一押しの5施設を紹介します。チケットプレゼントもあるのでお見逃しなく。

藤城清治美術館 那須
光と影 輝き心地よく
日本を代表する影絵アーティスト藤城清治さんの美術館。四季の彩りが美しい那須高原にあり、影絵、デッサン、資料など200点以上を展示しています。
代表作や名作、被災地作品などがある展示室では、天井や壁面、床にプロジェクションマッピングがあり遊び心が満載。また影絵劇を再現した回転舞台も。ショップは、作品をモチーフにした商品、人気のTシャツや雑貨などラインアップが多彩。庭が一望できるカフェも人気です。



館長の藤城亜季さんは「心が穏やかに、豊かな気持ちになれる空間になっています。光の世界をご覧になると、脳が活性化されると思いますので、お子さまから年配の方まで見ていただけたら」と話します。

那須町湯本203
☎0287・74・2581
午前9時半~午後4時半(入館は同4時まで)
火曜休(祝日は開館)、年末年始、メンテナンスで 臨時休あり(ホームページまたは電話で確認) Ⓟあり
高校生以上2000円、3歳~中学生1300円、各種手帳持 参者・生年1924年以前の人1300円
足利市立美術館 足利

ジャンル幅広く紹介
足利の街の中心にあり市民も観光客も気軽に立ち寄ることができる美術館。年4回開催する企画展では国内外の幅広いジャンルの作品を紹介しています。中学生以下は観覧無料。
美術館がまるで大きな1冊の本になったような「ザ・キャビンカンパニー 大絵本美術展 童堂賛歌」を11月4日まで開催しています。
ザ・キャビンカンパニーは阿部健太朗さんと吉岡紗希さんが、大分大在学中の2009年に結成。大分県の廃校をアトリエに絵本や立体、舞台芸術、企業や自治体とのコラボレーションなど、などさまざまな創作活動を行っています。

ことし、第29回日本絵本賞大賞など各賞をトリプル受賞した「ゆうやけにとけていく」(2023年)をはじめ、これまで出版してきた40冊の絵本の原画300点、映像イラストレーション、巨大な立体作品、新作の巨大壁画を展示。会場は撮影可で、特に週末は撮影しながら作品鑑賞を楽しむ親子連れの姿が多くみられます。
来月4日まで 「ザ・キャビンカンパニー」体感して

★篠原誠司学芸員の一押し!
本展はザ・キャビンカンパニーの活動初期から現在までの活動の全容を見ることができる過去最大規模の展覧会です。巨大な立体造形作品のインスタレーション「アノコロの国」は造形の力強さと物語性の豊かさによって来館者の目を引き付けています。展示作品に体ごと包まれて、物語の世界に入り込むことで、彼らが描く絵本をより深く理解するためのきっかけにもなるのではないでしょうか。

足利市通2の14の7
☎0284・43・3131
午前10時~午後6時(入館は同5時半まで)
月曜休(11月4日は開館) Ⓟあり
大人710円、高校・大学生500円、中学生以下無料
那須テディベア・ミュージアム 那須

各国の〝テディ〟愛らしく

自然豊かな那須高原にあるテディベアの美術館。世界各国の作家の作品や、アンティークのテディベアを中心に、数多く展示しています。2階では企画展を開催中。

併設のミュージアム・ショップではオリジナルグッズやテディベアなどを多数販売。また、地元の食材を使った手作りのスイーツが楽しめるティールーム「テディーズ・ガーデン」では一番人気の「デカプリン」(660円)と「デンチーノ」(660円)がお薦め。入館料なしでも立ち寄れます。
主任の大柴謙人さん(37)は「たくさん展示しているので、テディベアのぬくもりを感じながら、お気に入りの一体を見つけてください」と話します。

那須町高久丙1185の4
☎0287・76・1711
午前9時半~午後5時(入館は同4時半まで)
2・3・6・12月の第2火曜、2月の第2水曜休(祝日は開館) Ⓟあり
大人1500円、中学・高校生1000円、小学生800円、未就学児と75歳以上無料

もうひとつの美術館 那珂川

〝垣根〟ない発表の場

来月24日まで 企画展「これは文字?記号?それとも暗号?」
旧小口小学校の廃校舎を活用して2001年にオープン。年齢や国籍、障がいの有無、プロアマなどを問わないアートの在り方を提案し、ハンディキャップのある作家たちの創作活動支援を続けています。
11月24日まで企画展「これは文字?記号?それとも暗号?」を開催。県内外14人の作家作品100点以上を四つの展示室で紹介しています。
展示は「伝える文字」から始まり「自らの文字、記号、暗号?」まで、障がいのある人たちが描いたさまざまな文字や記号。その自己表現に触れるとともに、表現をできる環境づくりの重要性や支援活動のきっかけとなるような作品展です。

★梶原紀子館長の一押し!
知的障がいのある人たちは社会の中でなかなか理解されにくい。でも、楽しいから描いていて、私たちには持ち得ないような豊かな心を感じます。
ユニークな字で解読するのが面白い作品など分からないけれど、見ていて楽しくなっちゃう。そして見る方は自由に考える。作家それぞれの意味を持った表現を、ぜひご覧ください。

那珂川町小口1181の2
☎0287・92・8088
開館は午前10時~午後5時(入場は同4時半まで)
月曜休(祝日は開館、翌日休)
※11月25日~2025年3月中旬(予定)冬季休
Ⓟあり
大人1000円、70歳以上・大学生800円、小中学・高校生500円 ※障がい者手帳など持参者と付き添い1人は割引あり(小中高生は本人のみ)
栃木市立美術館 栃木

浮世絵の見どころ堪能
2022年11月3日、「ふるさと・ひと・ときを結び、未来をつくるミュージアム」をコンセプトに開館。浮世絵師・喜多川歌麿をはじめとする市ゆかりの作家の作品を収蔵、紹介するとともに国内外の作家の企画展なども開催しています。
企画展「北斎展―師と弟子たち」(12月8日まで)を開催中。北斎の最初期である役者絵から、代表作の「冨嶽三十六景」やヨーロッパでのジャポニズム・ブームを巻き起こした「北斎漫画」、最晩年の肉筆画まで、また弟子とされる絵師の作品も含め186点を紹介しています。「構図のおもしろさやプルシアンブルーと呼ばれるベロ藍を使った色彩豊かな表現を堪能してほしい」と、学芸員の形井杏奈さん(36)。
11月30日午後2時からは、美術館と文学館学芸員によるミニトーク「北斎『東海道五十三次』を読み解く!」を行います。
12月8日まで「北斎展―師と弟子たち」 フードコラボも

期間中、市内の8店舗が特別メニューを提供する「北斎展×旅展×フードコラボ!」を実施。

栃木市入舟町7の26
☎0282・25・5300
午前9時半~午後5時(入館は同4時半まで)
月曜休(祝日は開館、翌日休) Ⓟあり
一般・大学・高校生800円、中学生以下無料