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こだわり続けた「とちおとめ」未来へ 父は“王騎将軍”、背中追う長男 苦悩しながら歩んだ9年間

夜に見つめる 第1部「暮らしのそばで」④

11:30

 午後6時、鹿沼市北塚町。イチゴ生産者筑井健太(つくいけんた)さん(33)が、選果場の部屋でパック詰め作業する途中、一瞬手を止めた。「これがいいんですよ」。手元のメークブラシで果実の表面をさっと拭う。

 

 

 100円ショップで購入した。「(市内の別の場所で)イチゴ農家を始めた弟のアイデア。面白いでしょう」。小さな工夫で赤い実がつやを増す。丁寧にパックに盛り込み、機械でラップを掛ける。「ようやく、自分が育てたイチゴって言えるようになってきたかな」

パック詰めしたイチゴを翌朝、軽トラックに載せて出荷するのは健太さんの役割だ=2025年12月17日午後6時30分、鹿沼市北赤塚町、磯真奈美撮影
パック詰めしたイチゴを翌朝、軽トラックに載せて出荷するのは健太さんの役割だ=2025年12月17日午後6時30分、鹿沼市北赤塚町、磯真奈美撮影

 

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 実直にイチゴを作る父敏夫(としお)さん(58)を幼いころから誇りに思って来た。