気になる話題をアンケートで掘り下げる「子育てリサーチ みんなの声」。今回のテーマは「乳幼児連れの帰省」。無料通信アプリLINEの「はぐくもっと」と、下野新聞ホームページを通じて55人が回答。夫の実家への帰省を「楽しみ」と答えた女性はわずか17%で、不安やプレッシャーを抱えている人が多いようだ。

 女性に「実家への帰省で苦労・心配する点」を複数回答で聞いたところ、夫の実家への帰省時が自分の実家への帰省時の2倍以上という結果になった。「特になし」と答えた人はわずか3人。

 

 夫の実家への帰省で苦労・心配する点としては「気が休まらない」「親とのコミュニケーション」が上位を占め、夫の両親との価値観の違いや家事の手伝い方について悩む声が目立った。

 子どもの食事や安全面についての要望を夫の両親に言い出せず、不安に感じたり神経質になったりする人もいた。

 一方、自分の実家への帰省を「楽しみ」と答えた女性は7割を超えた。古巣への帰省は、気を使わず、羽を伸ばして過ごせるのだろう。

 夫の実家、自分の実家を問わず、遠方に帰省する人は、移動も大仕事。車や新幹線の中で子どもをどう落ち着かせるか、多くの人が気をもんでいるようだ。

みんなの声

 ▼実家にベビーガードなどがないため、玄関や台所などは常に目を光らせていないといけない。年に数回、2~3日の滞在のため、両親も特に用意するつもりはないが、神経を使う。

 マメマメさん(35)宇都宮市

 ▼子どもの生活、食生活が乱れる。アレルギーのある食べ物もこちらが気を付けないと与えてしまう。義理の親だとやめてほしくても強く言えない。

 ユーミンさん(33)那須塩原市

 ▼私の実家が遠方のため、新幹線で帰省しますが、車内でどう過ごすかいつも悩みの種。絵本、おもちゃはすぐ飽きてしまうので、ひたすらおやつを食べさせてしのいでいるが、とにかく疲れる。

 あみほさん(40)宇都宮市

 ▼義両親にとって待ちに待った初孫。それはそれは幸せそうでした。

 まりもさん(42)宇都宮市

 ▼お互いの実家に帰るという暗黙のルールをなくし、それぞれがそれぞれの実家へ帰るようにすればお互い休まるのにと思う。

 ゆいままさん(33)小山市

 ▼義母がよく動く人で、何を手伝ったらいいのか分からず、夫とのんびりしていたら「お客じゃないんだから!」と怒られた。どこまで手を出せばいいのか難しい。

 ちゃまさん(39)宇都宮市

 ▼用意は全て妻の役目。帰ってきてからの片付けも妻の役目。とほほ。

 まるこさん(28)佐野市

帰省で楽しみなこと

「子どもが喜ぶ」「親や親戚が喜ぶ」

 帰省は何かと気苦労や心配事が多いが、その一方で心待ちにする声も少なくない。

 帰省で楽しみなことを女性に聞いたところ、「子どもが喜ぶ」「親や親戚が喜ぶ」がトップ1、2位となった。普段はなかなか会えない祖父母に会えて喜ぶ子どもや、かわいい孫たちの訪問を笑顔で迎える両親や親戚の姿を見たいという思いが、帰省へのモチベーションとなっているのかもしれない。

 「家事の負担が減る」「子どもの面倒を見てもらえる」「食べ物がおいしい」などの意見も多かった。いつもは家事や育児に追われているだけに、帰省は子どもの世話や食事の準備を家族に任せて一息つける貴重なひとときともいえそうだ。

「違っていい」の視点で

家族心理士に聞く 県カウンセリングセンター 阿部美代子(あべみよこ)さん

 結婚をした瞬間から、両家の家族との付き合いはついてきます。義両親宅への帰省で気が休まらなかったり、コミュニケーションに苦労したりするのは「違う」からだと思います。考えが違う、習慣が違う、味が違うなど。違うからといって排除するわけにもいかないから苦労するのです。

 でも「違い」を受け入れるのはハードルが高いものです。ただ「違うんだな」「みんな違ってそれでいい」という視点を持つと、気持ちが楽になります。どちらかが努力することでもありません。頑張らないでいられる快適な距離感を自分で測ってみましょう。

 それでもどうしても無理な時は、ママは一足先に帰り、パパと子どもだけ実家に残るのも一つです。これは普段からの夫婦のコミュニケーションが重要です。ママが義実家から帰った後、パパと親がママの文句を言っているようでは駄目です。パパがうまくフォローしましょう。

 実家とは長い付き合いになります。子どものアレルギーなど伝えるべきことはきちんと伝えましょう。相手は良かれと思って知らずにやっているかもしれません。

 親の方も学ぶ必要があると思います。今は役割分業の時代ではなく、個の時代。人生の先輩として「昔はこうだった」と言うのはそぐいません。

 それまでの親子関係や夫婦関係などそれぞれの背景を抱えた上での付き合いなので、これが正解というものはありませんが、互いに「いい環境をつくろう」と思わないと良好な関係はつくれません。理想的な関係を求めず、快適な距離感でオリジナルの家族の付き合い方をつくるのが一番です。