先日、子どもだけの留守番を虐待とする内容が批判を浴び、埼玉県議会本会議で条例の改正案が撤回されたことが注目された。気になる話題をアンケートで掘り下げる「子育てリサーチ」。今回は子どもの留守番の実態を探った。小学1年までに留守番デビューさせる親が多いが、訪問者が来てもインターホンに出ないよう言い聞かせるなど安全対策を徹底させる姿が浮き彫りとなった。

 アンケートは11月初旬に行い、30~50代の男女60人が回答。そのうち、子どもを留守番させたことがあるのは45人だった。

 

 子どもが留守番を初めて経験した時期は就学前が27%、小学1年が22%で、ほぼ半数が小学1年までに留守番デビューをしていた。30分程度の留守番をした時期も就学前、小学1年が多かった。

 2時間程度の留守番になると、就学前はゼロに。小学1年、小学4年が同率で22%と最多だが、小学5年以上も増え、低年齢での少し長めの留守番には慎重な傾向が見えた。さらに半日程度になると全体的に学年が上昇し、中学生以降が26%でトップ。小学5年以降が7割を占めた。

 

 留守番をさせる際の最もよくある理由は、買い物が38%で最多。仕事(20%)、その他(16%)、突発的な理由でやむを得ず(13%)、学童保育を卒業した(11%)と続いた。

 子どもに留守番を経験させたことのある人の8割が、留守番させることに不安を持っていた。留守番をさせる際のルールや安全対策について聞いたところ、7割が訪問者が来てもインターホンで応対しないよう言い聞かせていた。他にも、鍵の施錠や台所で火を使わないように約束するなどの回答が多くあった。

◇コメント集

 長時間の留守番に対しては次のことを約束させていた。(1)ノックやインターホンが鳴っても応対しない(2)親、祖父母以外の電話は出ない(3)時間ごとの約束事を守る。例えば午後3時に洗濯物を取り込むなど(4)外には出ない(5)困ったことなど自分では解決できないことがあったらすぐに連絡をする。(宇都宮市 40代女性

 子どもが未就学児のため、いつ頃から留守番できるのかイメージが沸かない。30年くらい前の、自分が子どもだったころと社会の状況や常識も変わってきているとすれば、同じようでいいのかそうでもないのか、迷う。(宇都宮市 40代女性

 夜、PTAの会議に出なければならない時、近所の方に「何かあったらよろしくお願いします」と声を掛けておく。よほどの理由がなければ留守番はさせない。(宇都宮市 40代女性

 はさみ、カッターは使わせない。インターホンが鳴っても、用事があっても絶対にドアを開けさせない。騒がしくしないよう、言い聞かせている。(真岡市 40代女性

 固定電話がないので、何かあったらキッズ携帯で電話するように伝えている。夕方の留守番はシャッターを閉め、外からのぞけないようにする。(宇都宮市 40代女性

 上の子が小学低学年になり、そろそろ留守番の経験をさせたいと思うが、火の取り扱いや不審者の訪問など、危険性を十分理解・実行させられるのか親自身がまだ不安なためまだできていない。過保護かもしれないが昨今の物騒さを思うと、もう少し先でもいいのかなとも思う。(宇都宮市 40代女性

 勝手に遊びに行かないように約束。(壬生町 40代女性

 小さな子ども2人で留守番をさせ、火災になり子どもが亡くなった事件があったので、まだ怖くて低学年の子ども1人で留守番はさせられない。(日光市 40代女性

 発達障害があり、1人での留守番はかなりハードルが高い。(矢板市 40代男性

 誰かが訪問してきても、応対しない。ドアを開けない。家に固定電話がないので、いざという時の助けを呼ぶ家や方法を決めておく。(益子町 50代男性

 長時間の留守番の時は、留守番中にお手伝いや宿題などやるべきことを置いていく。それが終わったら自由時間。(宇都宮市 40代女性

 火は使わせない。訪問者があっても絶対に応答させない。窓やドアの鍵は全部施錠。近所の人たちとは常に交流し、子どもたちが万が一の時に頼れるように心掛けている。玄関などにセキュリティーカメラがあるので出先で映像を確認したり、携帯電話で子どもの位置情報を確認したりしている。過保護と思われそうだが、アメリカでは普通。(アメリカ 50代女性