東日本電信電話(株)総務人事部 ダイバーシティ推進室 室長 大野香織 氏

当社では 、社員の行動基準のひとつに「ワーク イン ライフ」があります。仕事、家族、友人、休みなど、全ての人生の中の一つであるという考え方です。社員の働きやすさ、働き甲斐、自己の成長を欠いては、職場のダイバーシティというのは進みません。具体的には、リモートワークを基本とする働き方に変えました。フレックスタイムも導入し、居住地、時間の選択を自由にしたというもの、大きな改革でした。社内アンケートでは、リモートワークの実施頻度が高いほど、女性社員のエンゲージメント率が上がっているという結果も出ています。
働き甲斐の向上としては、ダブルワークを推奨しています。これは、自分の部署以外の仕事を最大2割の稼働で認めるというものです。社外副業は、本業とは別のところで収入を得ることになりますが、広く社会へ参画をし、自己の成長に繋げるというものも、ひとつの女性活躍の形ではないかと思っています。
女性管理者比率も、2025年までに15%が目標です。マネージャー登用の際には、面談を実施しますが、中には消極的な社員もいます。家事や育児などとの両立不安、自信がないなど・・・。こういう社員をいかに減らすかという思いもあって、女性役員を中心にラウンドテーブル(意見交換)を開催したり、キャリア開発研修など、いろんな取り組みを行っています。
男性の育児休職は100%を超え、男女関係のない職場環境の改善も進んでいます。会社はいかに社員が若い段階からモチベーションを上げられるような取り組みをするか、これは非常に大切。自主性を認める企業風土、環境が整えば、会社側からの施策と本人たちの行動がマッチングし、女性活躍推進が成り立ってくると思います。
(株)TMC経営支援センター 代表取締役社長 葛西美奈子 氏

日本は本格的な人口減少社会に突入し、人手不足が一層深刻化しています。まさに今女性の活躍は広く求められ、企業は就職を促し、また離職をどう防止していくために環境づくりが求められています。
女性の就業に関わる法令はいくつかあり、女性活躍を推進していくためにはそれを知ることも大切です。
例えば女性の就業率を上げ、多彩な働き方、女性の管理職の登用など、女性の能力を発揮してもらうために法律が「女性活躍推進法」です。100人を超える事業所は「一般事業主行動計画」を策定・届出をし、公表する義務があります。「次世代育成対策推進法」や、「育児介護休業法」など、子育てを支援する法令も充実してきました。その中に「産後パパ育休制度」というのがあり、子どもが生まれてから8週間以内に、上限4週間まで育休を取ることができます。育休は中小企業にはハードルが高いと思われがちですが、この育休制度を利用した場合に、事業主へ「両立支援助成金」が支給される制度があります。
女性が職場で活躍するためには、経営者や管理職の意識改革も必要不可欠です。育児中の女性社員に責任ある仕事は任せられないといった思い込みはなくしましょう。男性中心だった業務や管理職に女性を登用するなど、職域を拡大し、チャンスを与えれば、新人社員の良きロールモデルにもなります。仕事と家庭の両立の支援として、柔軟な働き方の導入も必要です。
例えばフレックスタイム制や在宅勤務テレワーク、短時間正社員制度など働きやすい環境を作っていくことで、社員が定着して、いい人材が育ち、そのことでいい人材が入ってくるという好循環が期待できます。
女性活躍を推進することによって、求職者に選ばれる企業になれれば、人材不足の解決に繋がりますね。
NTT東日本 栃木支店
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