ショックだったデビューのセルビア戦
黒後のデビューは5月16日のネーションズリーグ初戦、ブラジルで行われたセルビア戦。スタメンで起用されたが、スパイクが決まらず1セット途中で交代となった。得点はわずか2点。世界の洗礼を浴びた。しかし、日本でのオランダ戦、香港でのイタリア戦などで再びスタメンで出場し本来の力を発揮。後半は9戦中7戦に先発出場し、最終的に158得点とチームで最多得点と活躍した。


――それでは、全日本デビューとなったネーションズリーグを振り返ってください。初戦のセルビア戦は厳しいデビューとなりました。
ショックでした。きっと、どこかに(世界で通用するプレーが)できるという気持ちがあったんでしょうね。だからショックを受けるんですよね。それでも次にスタメンで出る機会を与えてもらえたので、悔しかったけど今できる事は何なのかと頭を切り替えました。次の日には切り替えられました。試合の直後は悔しくて涙も出ましたが、その日はノートに向かっていろいろ書きつけて悔しさを晴らしました。
――続いて日本国内の開催となって、オランダ戦で再びスタメンで出場し10得点でした。
セルビア戦ですごい、なんかいろいろ考えていたのかな。自分なりに考えているつもりだったんですが、考えてのプレーがあれだったんで(笑)。考えなきゃいけないこともあるとは思うんですけども、この試合は開き直ってプレーしました。
――その後、香港でのイタリア戦ではチームトップの23得点で勝利に貢献する大活躍でした。試合前、中田久美監督と話し込んでいたテレビ映像がありましたが。
「諦めないことが大事だよね」ということを伝えてもらいました。すごく当たり前の言葉なのかもしれませんが、何か心に響きました。自分的には初戦であれだけひどいプレーをしているので、もう一回、しかもスタメンで使ってもらえるということに感謝したいという気持ちでいっぱいでした。
(試合を)しっかり見返してみると、ほんとにとんでもないミスもしているし、ありえない動きとかも結構あるんですが、気持ちの面でというのは納得してできたかな。

――ネーションズリーグのベストゲームと中田監督が挙げたタイ戦はどうでしたか。2セットを取られてからの逆転勝ち。しかも最終セットは15点制なのに22―20という大接戦でした。その中で2セットを取られた後の3セット序盤のリードされたタイムアウトの円陣で黒後選手が「大丈夫、これからだから」と声をかけたことを中田監督は「最年少の黒後が声を掛ける。気持ちの、心の強い選手」と評価していました。
タイ戦は相手のホームでの試合だったので、お客さんもたくさん入っていて応援がすごかったです。すぐ横の選手にも大声を出しても聞こえないくらいでした。相手の勢いもあったので、自分たちも難しい試合になるという覚悟をして臨んだのですが、やはり最初の勢いはすごかった。
3セット目が勝負だなっていう気持ちがあって、このセットを取ったら何かが変わるかもという思いで臨んで、それがしっかり結果になって取り切れたというのはうれしかったです。
声をかけたことは覚えてないんですよ(笑)。ホントに、全く覚えてないです。プレーは何となく覚えているんですけど。