夏っ! 梅雨明け前なのにこの暑さ。体がついていけず、早くもバテてしまいそう…というのに、物の値段は上がり続け、体ばかりか心労も。物価高や猛暑にも負けず、この夏を乗り切るための「力」が必要です。旬の野菜を使った、夏にふさわしく、手間も費用もかからない簡単、節約レシピを管理栄養士で佐野日大短大総合キャリア教育学科の野中春奈教授に教えてもらいました。健康に良く、お財布にもやさしい料理―これで夏に負けない。

猛暑前に食事しっかり

■野中教授の話

 

夏バテにならないためには、本格的な暑さが来る前の今の時季から、しっかりとした食事をとることが重要です。栄養的にも優れた旬の食材は、市場にたくさん出回り比較的安価です。暑い夏の料理には電子レンジを活用した調理がお薦め。特に野菜の下準備には大活躍してくれます。


カラフルピーマンと豚肉の炒め物

 

タンパク質と組み合わせ

 ご飯が進むカラフルピーマンのチンジャオロース。ビタミンが豊富な夏野菜と、良質なタンパク質を含む豚肉の組み合わせでスタミナ不足を解消しましょう。ピーマンのビタミンCは加熱しても失われにくいので、加熱調理向き。味もぐんとおいしくなります。完熟した赤ピーマンは、ビタミンCやβ―カロテンがさらにアップしています。

❶豚モモ肉(薄切り)80gは、5㎜幅に切って酒、しょうゆ(各適宜)で下味をつけ、炒める直前に片栗粉小さじ1をまぶす。
❷ピーマン(お好みで緑・赤・黄など)100gは、縦半分に切って種を取り、縦に千切りにする。ニンニク、ショウガ各1/3片はそれぞれみじん切り、ネギ10gは斜め切りにする。
❸調味料の材料(しょうゆ小さじ1と1/2、砂糖小さじ1/5、酒小さじ1、コショウ少々)を合わせておく。 
❹フライパンに油(適宜)を熱して、ピーマンを手早く炒めて取り出す。
❺フライパンに油(適宜)とオイスターソース小さじ1/3を入れてニンニク、ショウガ、ネギを炒め、①を加えてさらに炒め、③④を加えて手早く仕上げる。


ナスの梅和え

 

香りと酸味、食欲そそる

 大葉の香りと鮮やかな緑色が食欲をそそる副菜にお薦めの一品です。ナスの調理には電子レンジを使用。手際の良い調理はエネルギーの節約にもなります。ナスの皮には抗酸化作用がある紫の色素ナスニン(アントシアニンの一種)、実にもクロロゲン酸が含まれているので、ぜひ丸ごと使って調理しましょう。梅干しにはクエン酸が豊富に含まれていて、疲労回復や食欲増進の効果が期待できます。

❶ナス2本はへたを取って半分に切る。ラップに1本ずつ包み、電子レンジ(600W)に2分かける。取り出して、水に取る。
❷①の粗熱がとれたら、一口大に切る。
❸梅干しの果肉15gを粗く包丁でたたく。砂糖小さじ2、酢小さじ1、かつお節2gを合わせて②を和える。冷蔵庫で冷やす。
❹青ジソ4枚を千切りにして、③にのせる。


赤と黄と緑の夏スープ
(青菜と卵とトマトのスープ)

 

栄養丸ごと食べやすく

 トマトは三大抗酸化ビタミンといわれるβ―カロテン、ビタミンC、Eを含み血液を健康にして、老化防止に役立ちます。さらに赤い色素リコピンにも強力な抗酸化作用があるといわれています。食物繊維が豊富な青菜はこれから旬を迎えるモロヘイヤがお薦めです。スープにとろみが出て食べやすくなり、栄養素も汁ごと摂取することができます。スープはそうめんや中華麺とも良く合います。和風だしでみそ汁仕立てにしても。

❶トマト50gは1㎝のさいの目切り。青菜20gはゆでて細かく刻む。
※今回はホウレンソウを使用しました
❷中華スープ(顆粒チキンスープの素小さじ1を300㎖の湯で溶く)を煮立てて、塩小さじ1/4、酒小さじ1/2で調味する。
❸②に①を入れ、溶き卵1個を加えて火を止める。

 

★今回紹介した3品とも分量は2人分です。