動いて楽しっ!ニュースポーツ

知っているようで実はよく知らないニュースポーツ。気軽に楽しめて、レベルが違っていてもまれに勝てちゃうこともあったりして…。競技人口が急増中の今話題のものから、これからはやりそうなものまで、とっつきやすいけれど、いざやってみると奥が深いというニュースポーツの魅力を競技に打ち込む人たちに聞きました。スポーツの秋、気になるものがあったら、ぜひチャレンジしてみてはいかが。

カローリング

元気ワイワイ南河内 カローリング教室(下野)

床の上の頭脳戦
 

 「氷上のチェス」と呼ばれるカーリング。冬季オリンピックの人気競技を室内の床の上で楽しむために日本で生み出されたのが「カローリング」です。
 床面に膝をつき、車輪のついたジェットローラーを11㍍先にあるポイントゾーンに向けて押し出すように滑らせます。1チーム3人で交互に投げ得点を競います。
 下野市の総合型地域スポーツクラブ「元気ワイワイ南河内」のカローリング教室は、同クラブが設立された2010年にスタートしたサークルで、60~80代のメンバー6人が週1回、2時間の練習に励んでいます。昨年秋に開かれた県大会には2チームで参加1、2位を独占するなど調子は上々。
 カローリング教室では現在メンバーを募集中。毎週水曜午前10時~正午、南河内体育センター。
 (問)総合型地域スポーツクラブ 元気ワイワイ南河内☎0285・48・5401

狙い通りのナイスショットが決まると思わず拍手と笑顔に
狙い通りのナイスショットが決まると思わず拍手と笑顔に

クロスミントン

総合型地域スポーツクラブおにっこクラブ(小山)

高速の打ち合いが魅力
先月、横山さんが講師を務めた野木町で開かれたクロスミントン講習会の様子
先月、横山さんが講師を務めた野木町で開かれたクロスミントン講習会の様子

 「テニスプレーヤーがもっと早く打ち合いたいということで、ドイツで考案されたスポーツです」と、話す小山市地域おこし協力隊員の横山賢さん(42)。県内でさまざまな普及イベントを開いてきました。競技人口は国内で約4千人。県内では約130人が取り組んでいます。
 クロスミントンは〝ネットのないバドミントン〟。コートは5・5㍍の正方形で、相手方のコートと間隔を空けて、「スピーダー」を打ち合います。プラスチック製のスピーダーはスピード感あふれる打ち合いが楽しめるのが大きな特徴です。
 横山さんは現在、小山市の総合型地域スポーツクラブ「おにっこクラブ」(中林忠男会長)のクロスミントン教室でコーチを務めています。同クラブで活動する間々田中1年の粂川永瑠さんは、ことし5月にポーランドで開催された世界大会でベスト8入りを果たしています。

 (問)同クラブ☎0285・23・5083

https://sites.google.com/view/o2kko

 

 

モルック

きたごうモルッククラブ(足利)

木の棒で木の棒を倒す
 

 フィンランド発祥のスポーツで「モルック」という木の棒を投げて、「スキットル」と呼ばれる1~12の数字が入った棒を倒し点数を競います。
 足利市の北郷地区を中心に活動する「きたごうモルッククラブ」(松村徹代表=61)は、2023年7月に発足。松村さんが、コロナ禍で失われてしまった「人の集まる場」をもう一度つくりたいと、松村さんの父で総合型地域スポーツクラブ「きたごうスポーツクラブ」の会長を務める兵三さん(90)と共に地元の高齢者に呼びかけてスタート。県内で楽しめる場所がまだ少ないこともあり市外からのメンバーも増え、現在は20~90代までの40人ほどのメンバーで活動しています。
 同クラブでは現在、会員募集中。活動は月2回(主に土・日・祝日の午前中)、無料体験を実施。申し込み不要、30分程度。詳細はHPで確認を。

 (問)きたごうスポーツクラブ

https://kitagou-sports.club/molkky

腕を振って投げるので、気付けば肩凝りが解消されていた人も
腕を振って投げるので、気付けば肩凝りが解消されていた人も

 

ピックルボール

TOCCHY PICKLEBALL FREAKS(トッチー・ピックルボール・フリークス)(矢板)

国内で愛好者が急増中!
ピックルボールの醍醐味の一つ、ディンクと呼ばれるネット前の繊細な攻防戦
ピックルボールの醍醐味の一つ、ディンクと呼ばれるネット前の繊細な攻防戦

 この夏、日本初のプロリーグ戦が開催され、国内でも人気が急上昇しているピックルボール。アメリカ発祥のニュースポーツで、卓球のラケットを大きくしたようなパドルでプラスチック製の軽いボールを打ち合います。中空で穴の開いたボールは空気抵抗を受けてスピードが抑えられ、コートの広さもバドミントンと同じでテニスコートの約1/3ほど。あまりコートを走り回らずに楽しめるとシニアのテニス愛好者を中心に普及したといわれています。
 2019年に矢板市中の国道4号沿いに県内で初めてピックルボール専用コートを整備した佐村丈二さん(71)も長年のテニス愛好者。翌年トッチー・ピックルボール・フリークスというサークルを立ち上げました。
 現在、同施設は県内在住、在勤者を対象とした初心者限定の無料スクールを開催、普及に取り組んでいます。練習日は、木・土曜日のどちらか週1回90分。月4回開催で1期2か月。定員は各回8人。

 (問)同施設☎090・4208・2596

https://tocchy-pickleball.jimdofree.com

 

 

さいかつぼーる

予測不能な動きに笑い
子ども以上にママさんたちが夢中になった「さいかつぼーる遊び教室」のようす
子ども以上にママさんたちが夢中になった「さいかつぼーる遊び教室」のようす

 カラフルで柔らかな「フラバール」というおにぎり型をしたボールを使った「さいかつぼーる」。2008年に埼玉県の埼葛地区で考案されたもので、コートはバドミントンコート使用し、ネットの高さは180㌢。1チーム5人で構成。ルールはバレーボールに似ていますが、相手コートから来たボールは必ずワンバウンドさせてからレシーブしなければならないのが大きなポイント。変形のボールはバウンドするとどこに飛んでいくのか予測不能で、競技者も思わず笑みがこぼれます。
 佐野市スポーツ推進委員競技会では、月2回行う実技研修の中にさいかつぼーるを取り入れ、本格的な普及活動への準備を進めています。また先月、市こどもの国で開いた「さいかつぼーる遊び教室」には親子70人が参加。ユニークなボール競技に会場は大いに盛り上がりました。 
 同協議会の出井肇副会長(63)は「ルールも簡単で子どもでも遊び感覚で楽しめますが奥が深い。しっかり習得して、生涯スポーツとして市民に普及させていきたい」と話します。
 (問)佐野市スポーツ推進課☎0283・20・3049

おにぎり型のフラバール
おにぎり型のフラバール
佐野市スポーツ推進委員協議会の小野田正一会長(写真左)と出井肇副会長
佐野市スポーツ推進委員協議会の小野田正一会長(写真左)と出井肇副会長

ピックルボール 星 森人さん

教職を経て、新たな挑戦

競技者人生、普及活動も
 

 12年間の中学教員生活を経て、ソフトテニスのコーチに転身。仕事の傍らピックルボールで日本一を目指し始めた小山市の星森人さん(36)。今年6月に開かれたピックルボールの国際的な大会ではミックスダブルスで準優勝を果たし、順調なスタートを切っています。
 星さんは大田原市出身。中高、大学、教員時代を含め、さまざまなソフトテニスの大会で優勝を重ねてきました。教師として子どもたちが青春している姿を見て、「自分もまだまだやれるところまでやりたい」という思いが強くなっていったといいます。
 2年ほど前に教職を辞し、新たなる挑戦の道に選んだのが卓球、テニス、バドミントンが融合した新スポーツといわれるピックルボール。その魅力を「硬式テニスや卓球など、さまざまな競技を経験してきた人や幅広い年代の人と楽しめるのがいい」と、さわやかな笑顔で話します。 
 ことし6月に開催されたピックルボールの国際的な大会「PJF ピックルボールジャパンオープン佐世保in長崎」では、テニスの全仏オープンダブルスベスト4の経歴を持つ藤原里華さんと組み、準優勝と健闘しました。
 この1年で競技人口が何倍にも増え、レベルが格段に上がっているのを感じていると言いながらも「まずはタイトルを一つ取るのが目標。世界の舞台にも挑んでいきたい」と強い意志をのぞかせています。
 星さんの活動のようすはユーチューブチャンネル「青春ピックルちゃんねる」で公開しています。