冬になりすっかり葉の落ちた公園を歩いていると、頭上の木々を飛び回りながら移動してくる小鳥の鳴き声に気が付きませんか? チュピチュピと聞こえたり、ジュルジュルと聞こえたりします。なんだか騒がしく近づいてくる群れ。よくみると、大きさは同じくらいですが、模様が違っていることに気が付くかもしれません。

視界が開ける冬はバードウオッチングを始めるのに最適だ

 これは、冬によく見られる小鳥の群れ、混群(こんぐん)です。この中には、胸元に黒いネクタイ模様のシジュウカラ、ちょっと大きめでオレンジ色のヤマガラ、目の周りが白いメジロ、そして雪玉のようにフワフワでかわいらしいエナガなどいくつもの種類の小鳥たちが集まっています。

 よく耳を澄ますと、コツコツと木をつつく音がします。小さなキツツキの仲間コゲラもこの中に混ざっているのです。種類の壁を超えて群れになっているのは、エサの少ない冬に効率的にエサを探したり、群れになることで危険をいち早く察知したりするためと言われています。

厳しい冬を乗り越えるため混群を作る小鳥たち(イラスト・くますけ)

 さらに、池のある公園に行ってみましょう。まずは、目に飛び込むのは水に浮かぶカモたち。カモと言っても一年中見られるカルガモだけではありません。頭の緑色が美しいマガモや尾の長いオナガガモ、赤茶色の頭にモヒカンのような白い模様のあるヒドリガモなど。カモたちは水に浮いてゆっくりしているので観察も簡単です。

 バードウオッチングには双眼鏡があると便利ですが、動きの少ないカモなどは双眼鏡がなくてもじっくり見ることができます。野鳥図鑑などを持っていたら目の前の野鳥と見比べてみてください。図鑑に載っている野鳥に目の前で出合えると意外と感動しますよ。

カモ類は体が大きく観察しやすい(イラスト・くますけ)

 冬になると木々の葉が落ち、視界が開けます。そのため野鳥たちの姿を見つけやすくなるので、バードウオッチングを始めるならば冬が一番です。さらに、この時季の小鳥たちは寒さをしのぐため毛を膨らませてまん丸くなって、かわいらしさも倍増!!

 さあ、冬は親子で野鳥を探しに歩いてみませんか? 意外と多くの野鳥があなたの身近に暮らしていますよ。また日本野鳥の会県支部では、県内各地で毎週末に野鳥観察会を開催しています。ホームページをご覧になって参加してみてはいかがでしょうか。

(遠藤隼(えんどうじゅん)・サシバの里自然学校校長)

■とちぎ子ども自然体験活動ネットワーク登録団体のイベント情報

親子でみそづくり2022(市貝)

・日時…2月23日、25日

・参加費…6500円

(申し込み、イベント詳細はサシバの里自然学校ホームページへ)

スキーキャンプ初級者編(那須)

・日時…2月17日~19日

・参加費…小学生33000円、中学生35000円

(申し込み、イベント詳細は那須高原自然学校ホームページへ)

◆遠藤隼(えんどう・じゅん)さん◆1984年、宇都宮市生まれ。大学卒業後、静岡県にある自然学校職員として子どもキャンプやエコツアーを指導。2012年8月から1年以上かけて、自転車でユーラシア大陸横断・南米縦断をした。2021年度宇都宮大大学院修了、研究テーマは「里山での幼児向け体験型環境教育の実践と評価」。現在はサシバの里自然学校校長、作新学院大女子短大部非常勤講師。