ゲーム実況を中心に活動し、全国的な人気を集める栃木県在住のユーチューバー「しるこ」さんが5日、栃木県総合文化センターでファンミーティングイベントを開催した。顔出しや詳細なプロフィルの公開はしていないものの、所属するグループの動画の再生回数は約1億4千万回に上る。初の地元“凱旋(がいせん)”となった5日のイベントに潜入し、その人気の秘密に迫った。

しるこさんは2019年2月4日、ゲーム実況系グループ「BinTRoLL(ビントロール)」を立ち上げ、ユーチューブ活動を開始した。大ヒットアニメ「鬼滅の刃」の主人公を演じる声優花江夏樹(はなえなつき)さんのユーチューブチャンネルにも度々出演し、人気を博す。
今年の1月から、本県を含む全国9都市を巡るイベントを開催している。活動4周年記念日から一夜明けたこの日は、昼と夜の2公演を行い、約900人を動員した。

昼公演開場前には、会場のエントランスホールに物販コーナーが開設された。公演に合わせて製作されたペンライトや香水など14種類のグッズを求め、コーナー開設30分前には約130人のファンが行列を作っていた。

先頭に並び、8点のグッズを購入した千葉県横芝光町、会社員女性(49)は「しるこさんの芯が通っているところと、ゆるい感じが好き。グッズはうちわもキーホルダーも全部かわいい。レシートにもイベントのロゴが入っていてびっくり。」とうれしそうにグッズを抱きしめていた。
公演の前後には、しるこさんのイメージカラーである紫色のグッズや服を着たファンが、会場周辺で記念撮影する姿も見えた。

グループメンバーのグッズや服に身を包んで参加した東京都府中市、会社員女性(27)は「普段は(動画では)姿が見えないけれど、本当に存在するんだと、生存確認できた。あざとかわいくてもっと好きになった」と喜びに目を輝かせた。夫婦で参加した埼玉県志木市、会社員男性(29)と同女性(30)は「本当にしるこさんの部屋に来たみたいで、楽しかった。またイベントがあったら参加したい」とほほ笑んだ。

公演は、ファンが、グッズのペンライトなどを持って参加した。しるこさんが登壇すると、ファンからの熱い歓声と拍手で会場が包まれた。ファンの呼びかけにしるこさんが答えるシーンも多々あり、会場は絶えず笑いにあふれていた。入場時にファンへ配られ、開演前に回収された専用のメッセージカードをしるこさんが読み上げるコーナーもあった。

終演後のしるこさんに、栃木公演の感想を聞くと「イベントがきっかけで、ファン同士が仲良くなっていく様子がうかがえてうれしい。今回の公演は、みんなに会いに行くというコンセプトだったけど、今回はみんなをおもてなしできて大満足です」と笑顔で答えてくれた。ファンへの熱い愛情も人気の要因なのだろう。今後のしるこさんの活躍にも期待したい。
