4月から幼稚園などの新たな環境で過ごすことになる3歳児は多いだろう。「ちゃんと園で過ごせるだろうか」と不安を抱く保護者に向けて、作新学院大女子短期大学部幼児教育科の設楽紗英子(したらさえこ)准教授(発達心理学)に、入園後の子どもの変化や保護者の対応についてアドバイスしてもらった。
園は「子どもにとって初めての集団生活の場」で、主に遊びを通して生涯にわたる発達の基礎を養う。
「当初は戸惑うことがあるかもしれないが、『楽しい場所』というイメージを伝えましょう」と設楽准教授。
同じ年頃の友達から刺激を受け、隣の子がやっていることを見て自然に「自分もやってみよう」とまねをするなど、興味・関心が広がってできることが増える。

一方で、入園当初は集団生活による疲れや緊張で、帰宅後すぐに眠ってしまったりイライラしたりする子どもも。設楽准教授は「家で過ごす時間は、自分のペースで過ごす大切な時間。リラックスできるよう工夫してみましょう」と助言する。
多くは園に慣れるにつれて解消されるが、「疲れる様子が気になる」「園へ行きたがらない」「○○がいやだ、と言い出した」という場合は、子どもの言い分をよく聞くことが大切だ。
それでも解決しない場合は「園に連絡し、先生と子どもの様子を共有してほしい」(設楽准教授)。そのほか気になることや家での様子は、送迎の時間や連絡帳などで短時間でも気軽に先生と話してみよう。それが園との連携やコミュニケーションの促進剤になる。

それぞれの園は、設立者の理念やその成り立ちにより特徴がある。設楽准教授は「日課表などから園が何を大切にしているのかが分かる。保護者が園の活動や子どもの様子に関心を持つことで、子どもにとって、園での生活がより有意義なものになる」と呼びかけている。