静寂の中で揺れる火見つめ、自分をリセット 週末のキャンパー 価値観追求する幸せ
夜に見つめる エピローグ「焦点」③
標高200メートル。木々を揺らす風に乗ってカエルの声が響き渡る。暗闇に包まれた辺りに数張のテントがぽつりぽつりと点在する。親子連れ、男女のグループ、ソロキャンパーらが喧噪(けんそう)を離れ、思い思いに楽しむ。
シャツにもう1枚羽織ってちょうどいい5月30日の午後7時、那珂川町のオートキャンプ場。宇都宮市、会社員関根学(せきねまなぶ)さん(56)はいつも通りアルコールを手に揺らめく炎を眺めていた。
平日に働き、週末は決まってキャンプ場に赴く。関東近県から西は静岡、愛知、京都まで車を走らせてきた。雄大な自然を有する北海道には10回ほど訪れた。「週末に自宅で寝るのは年5日ぐらいかな」。缶酎ハイに口を付け、笑った。
一人のときも仲間と過ごすときもある。たき火は欠かせない。火を前にするとみんな素直になれる。
巡らす思考も、忙しい日々の苦労も重圧も、良いことも悪いことも、全て整理し消化する。そして「新しいスタートラインを引くんです」。静寂の時間に身を委ね、自分をリセットする。
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