中学3年の夏、学徒動員で中島飛行機の宇都宮製作所に勤めました。零戦の翼部分を組み立てる職場に配属となり、女子学生が打ったアルミのびょうを押さえてつぶす仕事をしました。
勤めは1週間程度。9月1日には甲種飛行予科練習生(予科練生)として航空隊に入隊することになっていました。当時は20歳で兵役でしたが、仲間より早く入隊し、位の高い七つボタンの白い軍服に短刀を下げた姿で20歳を迎えたかったので、受験したのです。
退職の時、餞別(せんべつ)の替わりにもらった干しバナナが忘れられません。職場で貴重な配給品をかき集めてくれたようでした。今でも時々食べては懐かしんでいます。