「#あちこちのすずさん」では、NHKや全国の地方紙、ネットメディアが連携して、戦時下の暮らしにまつわるエピソードを広い世代から集め、伝えていく取り組みをしています。今回は、信濃毎日新聞に寄せられたエピソードを紹介します。
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<1943(昭和18)年4月>
子ども6人のうち男は末子の私だけだったため、当時、お国のために戦争に行く男子がいないことで父は肩身が狭かったようです。
そこで、子犬の頃から飼っていたシェパード犬「アルミン」を軍用犬として出征させました。善光寺近くの林で撮ったこの写真、皆晴れがましい支度ですが、顔に喜びは見えません。アルミンの右が私です。
長野駅から貨物列車に乗せられていく時の悲しげな鳴き声が忘れられません。結局、アルミンは帰りませんでした。
(長野市、坂口容嗣さん、82歳)
*投稿者の年齢は2021年8月時点