取材班が開設した子ども食堂「ほうぷけん」で焼きそばを頬張る親子=10日午後6時55分、宇都宮市曲師町

焼きそばの盛り付けに見入る子どもたち=10日午後6時20分、宇都宮市曲師町

取材班が開設した子ども食堂「ほうぷけん」で焼きそばを頬張る親子=10日午後6時55分、宇都宮市曲師町 焼きそばの盛り付けに見入る子どもたち=10日午後6時20分、宇都宮市曲師町

 子どもの貧困の実相を見つめる大型連載企画を担当する下野新聞社「子どもの希望取材班」による子ども食堂「ほうぷけん」が10日、宇都宮市曲師町の同社宇都宮まちなか支局で初めて開かれた。子ども食堂をはじめとした「子どもの居場所」の役割などを報じている同連載の一環で、記者自身が食堂を開設して実践し、地域ぐるみで子どもの育ちを支える社会づくりのヒントを探る。近隣の親子6組、計14人が訪れ、食事を楽しむなど和やかな時間を過ごした。

 連載「希望って何ですか 続・貧困の中の子ども」は1月から紙面やウェブ上で展開している。困窮した生活の中で暮らす子どもと親、支援者の姿を伝えているほか、食事の提供だけでなく親の相談対応をしたり、子どもが生活・学習習慣を身に付けられるよう支援したりする、多機能化する居場所の役割も報じている。

 居場所の一つとされる子ども食堂は近年、貧困支援にとどまらず、誰でも利用できる地域の交流拠点として需要が高まっている。

 「ほうぷけん」は午後5時半に始まり、訪れた親子らに、寄付された食材も活用した焼きそばとスープが振る舞われた。食後は、支局内に設置した遊びスペースで子どもが記者らとおもちゃで遊ぶ姿も見られた。

 友人の誘いで子ども2人と訪れた同市馬場通り、保育士飯田優(いいだゆう)さん(39)は「定期的に開催してくれたらうれしい。親同士で話せて気分転換になる」。長女明音(あかね)さん(9)は「楽しかったしまた来たい。遊ぶところが広くなるといいな」と笑顔で話した。

 約2時間の開催を終え、取材班キャップの大貫茉伊子(おおぬきまいこ)記者(31)は「事前周知をあまりせずに多くの人が来てくれたので、潜在的ニーズはあるはず。気軽に来られる地域に根差した場所になるといい」と語った。

 食堂は当面、同所で月1回程度の開催を目指す。開催情報はX(旧ツイッター)の「下野新聞 子どもの希望取材班」などで発信する。