西地域コミュニティセンターで再開した子ども食堂「ほうぷけん」=9日午後、宇都宮市西1丁目

 子どもの貧困の実相を伝える大型企画を連載した下野新聞社「子どもの希望取材班」による子ども食堂「ほうぷけん」が9日夜、会場を宇都宮市西1丁目の西地域コミュニティセンターに移して再開し、10組の親子ら計29人が来場した。日中には取材班が民生委員らに取り組みの趣旨を説明し、協力し合うことも確認。取材班は今後、地域住民を巻き込んだ持続可能な運営の在り方を探っていく。

 地域ぐるみで子どもの育ちを支える社会づくりのヒントを探ろうと、取材班は5月以降、子ども食堂を同市曲師(まげし)町の同社宇都宮まちなか支局で計3回開催。誰もが利用できる地域の交流拠点を目指す一方、会場がビル3階にあり、階段の上り下りが高齢者らの負担になるなどの課題から新たな開催場所を検討してきた。

 同コミュニティセンターへの会場の移転は、7月下旬の試験的な開催を経て決定した。取材班は9日、同所で開かれた地域の民生委員や社会福祉協議会関係者が集う会合に出席し、子ども食堂の趣旨などを説明。参加者からは「以前から開催したい思いはあったが実現していなかった」「ぜひ協力したい」などと前向きな声が上がり、互いに協力することを確認した。

 この日、午後6時半に始まった食堂には民生委員や下野新聞社の社員有志ら9人がボランティアスタッフとして協力。寄付された野菜などを使ったカレーが振る舞われ、来場した親子は「おいしかった。おなかいっぱい」と笑顔を見せていた。

 終了後、西地区民生委員児童委員協議会の福田泰子(ふくだたいこ)会長(75)は「いつか子ども食堂を運営したいと思っていたので、協力していきたい。ボランティアしたい人も大勢いると思うので、声をかけていく」と話した。

 食堂は今後、同所で毎月第2金曜に開催する。