
福祉施設が母体の農業法人
JA足利は、トマトやイチゴ、アスパラガスなど7品目を「あしかが美人」という統一ブランドで出荷しています。今回紹介する農地所有適格法人 株式会社ワールドアグリの五月女琢也さん(47)もJA足利のアスパラガス部会に所属するアスパラガス農家の一人です。
五月女さんはもともと社会福祉法人豊岡福祉会で職業指導員として働いていました。前職は食に携わっていたことに加え、おいしい農作物をつくり農福連携に取り組みたいという思いから同理事長の笠原徹さんと2018年にワールドアグリ社を設立しました。

「アスパラガスはとてもデリケートですが、とても面白い」「アスパラガス愛は、他の農家さんに負けません」と話す五月女さんは、現在約30㌃のほ場で4人の従業員・アルバイトと「ウェルカム」と「ガリバー」という品種をハウス栽培しています。アスパラガス栽培のパイオニア的存在だった当時のJA組合長の下で一から学び、肥料へのこだわりは人一倍です。しかし、近年の猛暑や暖冬の影響は年々深刻度を増しており、夏場は小まめにハウス換気を行い、作業も早朝にずらすなどの工夫をしています。
障害者雇用と農福連携もすすむ
今季のアスパラガスの出来には満足。五月女さんも「甘くて柔らかい」と太鼓判のアスパラガスは、JAを通じて首都圏などに出荷されるほか、管内のJA直売所「あんあん」などでも購入できます。また、母体である豊岡福祉会が就労継続支援(B型)事業の一環で運営している飲食店「めん処阿吽(あうん)うどん子足利店」でも、朝採れアスパラガスの天ぷらとして食べることができます。
障害者も積極的に雇用し、春先の草むしりなどはグループの就労支援施設の利用者と一緒に行うなど五月女さんの希望だった農福連携も着実に進み、今後は規格外になってしまったものの6次化などにも取り組んでいきたいと抱負を語ってくれました。

連日の暑さで夏バテ気味の方も多いと思います。疲労回復やエネルギー産生に関与するアスパラギン酸を豊富に含むアスパラガスを食べて、夏も元気に乗り切ってみてはいかがでしょう。
問い合わせはJA足利営農経済部☎0284・41・7183。