春レタスは厚みがあって柔らかいのが特徴
春レタスは厚みがあって柔らかいのが特徴

経営的な視点大切に マニュアル作成も

 食物繊維が豊富で、みずみずしい食感が魅力のレタス。小山市は、県内でレタス栽培が盛んな地として知られています。

 JAおやまレタス部会に所属する山中悠輔さんは現在、水田を利用した1・5ヘクタールのほ場で、早生品種の「トリガー」や「クールガイ」などの春レタス栽培の真っ最中。5月頃まで約10万株もの収穫作業が続きます。夏の終わりから秋にかけては、別のほ場1ヘクタールで秋レタスを栽培しています。

山中 悠輔さん(34歳)
山中 悠輔さん(34歳)

 山中さん方では、水稲栽培に組み込みやすいという理由から長年レタスを栽培。近年はトウモロコシも追加し、年間を通じて農業ができる体制を整えました。2年前からは父との2人体制から、パート従業員も加えた計4人で作業。「経営や効率面も考慮した農業が目標。家族経営的な農業でなく、誰でも働ける環境をつくり安定的な出荷を目指したい」と話し、農業経験がない人でも作業の流れが把握できるマニュアルも作成しました。

「レタしゃぶ」など 味わい方いろいろ

 レタスは温度変化に敏感で、同じレタスでも秋と春では、ほ場環境が大きく変わります。春レタスは冬の寒い時季に定植し成長させるので、黒マルチを張りトンネルをかぶせて地面の温度を上げます。害虫被害の心配はほとんどないものの、適度に換気し最適な温度を保つなど丁寧な管理が欠かせません。

 収穫量も大切ですが、「最もこだわっているのは品質」。「子どもの頃、友人宅へ遊びに行くとき、親から『レタスを持って行って』と手渡されました。思春期のときは恥ずかしかったですが、友人の家族から『おいしかった』と言われるとすごくうれしかった」と笑顔で振り返ります。「寒さや暑さに強い品種を毎年見極めながら、これからも消費者に喜んでもらえるレタスを作っていきたい」と抱負を語ります。

寒風が吹きすさぶ中での収穫作業
寒風が吹きすさぶ中での収穫作業

 収穫したレタスは、JAおやま経由で市場に出荷。この時季のレタスは冬の寒さの中でゆっくり育つため、秋レタスよりも葉がしっかりしていて甘いのが特徴で、「生食はもちろん、茹でたり、『レタしゃぶ』にして食べたりするのもお勧め」だそうです。小山産の旬のレタス、ぜひいろいろな食べ方で味わってみてください。

 お問い合わせは、JAおやま営農企画課☎0285・33・4321。