とちあいかに絞り、作業を効率化
いちごの生産量日本一を誇る「いちご王国」、栃木県。なかでも、その3分の1を占めるのが真岡市や益子町など、1市4町を管轄とするJAはが野です。今回紹介する真岡市のイチゴ農家、小林聡さん宅でも、クリスマスを目前に控え、収穫・出荷作業が最盛期を迎えています。
同JAのいちご部会で部会長を務める小林さん宅では、33㌃の本圃でイチゴを栽培していますが、栽培品種は「とちあいか」のみ。梨などと異なり、同一品種で5月末まで収穫できるイチゴ。小林さんは、「品種を絞ることで規格やパック詰め作業を効率化し、生産性を上げています」と、その理由を教えてくれました。
小林さんが就農したのは15年前。以前はホームセンターに勤めていましたが、将来を考えたとき、定年後も働けて、そして父からイチゴ栽培を学べる機会も最後だという思いから決断しました。
イチゴの美味しさ引き出す工夫
「100人のイチゴ農家がいたら100通りの栽培方法がある」と話す小林さん。イチゴ栽培には、一般的な形はあるものの、栽培方針や既存設備で、肥料や温度管理、炭酸ガス施用など、細かい部分が異なってきます。そのため、JAはが野では、栽培技術の向上と品質の均一化を目的に、生産者同士が盛んに意見や情報を交換したり、優良農家の本圃を見学する機会を設けたりしています。
「とちあいかは、他品種と比べ一番果が少なく、二番果までが長い。また、色づき始めると一気に色が回る」という小林さんのこだわりは、収穫の安定化です。そのため、分化を確認してから定植し、定植後も遮光と水管理のバランスには特に気をつけています。
小林さんのイチゴは全量JA出荷。宇都宮や東京の太田市場から首都圏に流通します。JAはが野のイチゴは管内の直売所でも購入でき、観光農園ではイチゴ狩りも人気です。
年齢・性別問わず、常に好きな果物の上位にくるイチゴ。「食べてくれた人の『美味しい』という声が、なによりの励みです」と話す小林さん。「日本一のイチゴ産地」のプライドと誇りを持ち続け、これからもイチゴ栽培に励んでいきます。イチゴ農家の想いも詰まった甘くて美味しいJAはが野のイチゴ、皆さんもぜひ楽しんでください。
お問い合わせはJAはが野営農部営農指導☎0285・80・1919。

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