艶があってイボがあるのが新鮮な証し
艶があってイボがあるのが新鮮な証し

露地に加え促成・抑制で年間栽培

 みずみずしい食感と歯ざわりのよさが特徴のキュウリ。サラダなど毎日の食卓に欠かせない食材です。水はけがよく日当たりのいい場所でよく育つことから、県内では小山市などで盛んに栽培されています。今回紹介する小曽根 進也さん(48)もそんなキュウリ農家の一人。JAおやま南部きゅうり部会に所属し、ハウスと露地を合わせた約30アールのほ場で年間を通じてキュウリを栽培しています。

 代々農業を営む小曽根さん宅では、以前はナシとキュウリ苗を栽培していました。自身も当初はナシ農家になることを前提に、県の農業大学校に進学。卒業後は就農と合わせて県の果樹試験場で1年間ナシ栽培を学びました。しかし、農業環境の変化に合わせて、15年ほど前にキュウリ栽培に転換。現在は父から小曽根さんが引き継ぎ、妻と2人でおいしいキュウリづくりに取り組んでいます。

小曽根 進也さん
小曽根 進也さん

 生長が早く1日で数センチ大きくなることもあるキュウリ。「年間を通じて出荷できるように露地栽培に加え、促成と抑制栽培もしていますが、趣味のゴルフや釣りに行く暇もなかなかありません」と話す小曽根さん。収穫期には朝夕2回収穫し、その日の夜に30〜40ケースを選果場に運ぶこともあるそうです。

新鮮なキュウリを食卓に届けたい

 キュウリ栽培で重要な、わき芽摘みや摘心といった作業は機械化が難しく、人手がかかります。小曽根さんのテーマは「なるべく手数を少なくしつつも美味しさには妥協しない」効率化です。そのため、病害虫に強い品種を積極的に栽培。そのかいもあり以前の品種に比べ消毒の回数も減りました。また、畝に沿って自動で消毒して戻ってくる機械も導入し省人化を図っています。

 店ではやらないでくださいと前置きしつつ、小曽根さんは「新鮮なキュウリは手で割った直後に戻すとぴたっとくっつくんですよ」と実演。「艶があってイボがしっかり立っているキュウリが新鮮です」と教えてくれました。

露地もののキュウリの収穫が最盛期
露地もののキュウリの収穫が最盛期

 小曽根さんが栽培したキュウリはJAおやまを通じて、主に首都圏や宇都宮の市場に出荷されます。生はもちろん、漬物や佃煮などさまざまな料理に使えるキュウリ。夏場の水分補給にもピッタリです。店頭で見かけた際にはぜひ手に取ってみてください。

 お問い合わせは、JAおやま営農企画課☎0285・33・4321。